サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入を巡り、政府は警察と自衛隊による合同拠点を新設する方向で調整に入った。東京・市谷本村町の防衛省付近にある国有施設の利用を検討する。関係者が30日、明らかにした。
政府は30日、サイバー防御導入の関連法案を自民党安全保障調査会などの合同会議に示し、了承を得た。公明党も関連部会の合同会議で審議し、実質了承した。政府は2月上旬にも閣議決定し、国会に提出する。
関連法案は(1)官民連携の強化(2)通信情報の利用(3)侵入・無害化―が柱。警察官職務執行法と自衛隊法を改正し、警察と自衛隊に無害化の権限を与える。合同拠点の設置は、両者が緊密に連携し、迅速に対応できるようにするのが狙い。
国外と国内間、国内を経由する国外間の通信の取得・分析を可能とし、重大な攻撃の兆候があれば無害化措置を実施する。適正な運用のため、独立機関「サイバー通信情報監理委員会」を創設。同委は国会報告や概要公表を行う。
電気や金融など民間の基幹インフラ事業者に被害報告を求め、特定の重要機器を導入する際に製品名の届け出を義務付ける。