【写真】中村獅童も白竜も! 体当たり演技に挑む『Broken Rage』メイキングカット
「暴力映画におけるお笑い」をテーマとし、日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品され高い評価を受けた本作は、北野監督が映画の常識を覆すべく手掛けた作品。
約60分の本作の前半では、警察にとらわれた“すご腕”殺し屋・ねずみ(ビートたけし)が、釈放を条件に刑事・井上(浅野忠信)と福田(大森南朋)と手を組み、覆面捜査官として裏社会に潜入する骨太のクライムアクションを描き、後半は前半と同じ物語がセルフパロディーという手法を使ってコメディータッチで描かれる。
解禁となったメイキング画像では、殺し屋役のビートたけしや、麻薬売買を取り仕切るヤクザの親分・金城役の中村獅童、その若頭・富田役の白竜らが集結した撮影現場を映し出し、北野作品らしいアウトローな雰囲気を垣間見ることができる。一方で、笑いをこらえきれずに役者陣が笑顔をのぞかせる一枚や、北野組常連の浅野が白目をむいた衝撃的な一枚は撮影現場で“笑い”が生まれる瞬間が切り取られ、北野監督が後半のセルフパロディーでコメディアンとしての手腕を遺憾なく発揮していることがうかがえる。
これまでの映画の概念を覆す本作について北野監督は「パロディ映画を作る時は、基本的にみんながよく知っている映画が元にならないといけない。でも、それだと自分の作品にならないので、たたき台となる作品から自分で作ってみた。すごい冒険的で、とても苦労したけど、実験映画だと思って楽しんだから今は『まあいいか』って思っている」と、長年のキャリアを持つ北野にとっても新たな試みであることを明かしている。
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『Dolls(ドールズ)』(2002)、『アキレスと亀』(2008)、『アウトレイジ 最終章』(2017)、『首』(2023)に続き5度目の北野作品への出演となり、浅野と共に体当たりの演技で監督の演出に応えた大森は「現場での緊張感が他の現場と比べて全然違う。特にこの作品では”お笑い”的な要素を担ったので、それに対する緊張感を浅野君と共に日々感じていました」と、“暴力”と“笑い”が入り混じる衝撃作となった本作の撮影の裏側を告白。さらに、「生意気ながらも『武さんにもちょっと笑ってほしい』という気持ちで撮影に挑んだんですけど、なかなか出来なくて苦労しました」と語った。
『首』(2023)に続き、北野作品への出演を果たした獅童は「予想外の展開が起きたシーンも北野監督が『面白いからいいか』って演出を変えるので、現場でハプニングが起きても演技をやめちゃいけない。北野監督もどういうアドリブを入れてくるのか分からないので、いつでもアドリブに対応できるように自分で考えておかなければいけなかったです。本当に今の時代に切り込んでいったある種危険な作品です」とこれまでにない撮影の様子を振り返った。
Amazon Original映画『Broken Rage』は、Prime Videoにて2014日より世界独占配信。