1月31日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているモンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、マレーシアのクアラルンプールで2025年シーズンの体制発表会を開催し、ヤマハYZR-M1のカラーリングを披露した。
モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、バレンティーノ・ロッシやホルヘ・ロレンソをはじめ、多くのMotoGPチャンピオンを輩出したヤマハのファクトリーチームだ。2019年からモンスターエナジーをタイトルスポンサーに迎え、現在のチーム名でエントリーしている。
2021年にファビオ・クアルタラロがその速さを買われ、ヤマハのサテライトチームからファクトリーチームに昇格。すると最高峰クラス3年目にしてシーズン6勝を挙げてチャンピオンに輝き、チームランキング2位にも貢献した。翌2022年は、ポールポジション1回、優勝3回を記録したクアルタラロが総合2位となるも成績が安定せず、2021年の途中から加入したフランコ・モルビデリは全体的に苦戦したシーズンとなった。
2023年からは、サテライトチームのWithUヤマハRNF・MotoGPチームがMotoGPから撤退し、ファクトリーチームのみの1チーム2台体制で参戦。この頃からマシンの戦闘力の低下が顕著となり、最終的に未勝利で終えた。
そして、2024年は、新たに加入したアレックス・リンスがエースライダーのクアルタラロとコンビを組んだ。この年も全体的に戦闘力に欠け、表彰台争いからも遠のくというこれまでよりも一段と厳しいシーズンとなったが、クアルタラロは、予選で上位グリッドを獲得するなど持ち前の速さを見せる場面もあった。
スズキとホンダのマシンの経験があるリンスは、ヤマハYZR-M1への適応に苦戦し、シーズン途中には怪我で欠場を強いられた週末もあったものの、同年8月にヤマハと契約延長を締結。2026年までクアルタラロとリンスのライダーラインアップを継続することが発表された。
モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、新たにサテライトチームに加わったプリマ・プラマック・ヤマハと共に2025年の体制発表を開催し、最新型のヤマハYZR-M1のカラーリングをお披露目した。発表会では、ヤマハMotoGPプロジェクトリーダーの鷲見崇宏や2025年からマネージングディレクターに就いたパオロ・パベシオらが登壇。その後、レーシングスーツを着たクアルタラロとリンスが登場し、最新型マシンのお披露目が行われた。
マシンのカラーリングに大きな変化はなく、モンスターエナジー・ブラックとヤマハファクトリーレーシング・ブルーを引き続き採用している。
また、ヤマハのテストライダーは、継続起用のカル・クラッチローだけでなく、既報の通り昨年までレッドブルGASGASテック3からMotoGPクラスに参戦していたアウグスト・フェルナンデスが2025年から新たに加入する。
3年ぶりに2チーム4台体制となり、テストライダーもより充実したことでヤマハは、コンセッション(優遇)システムをうまく活かして競争力を取り戻せるのか、2026年以降に向けても今から期待がかかるシーズンになりそうだ。