イタリア政府は、ある法律の改正を議論している。その影響で、F1イタリアGPの開催にリスクが生じる可能性があるという。
モンツァとF1イタリアGPの主催者たちは休む暇がないようだが、それはこの歴史的なレースの将来について新たな疑念が浮上しているからだ。イタリア議会では法改正が進行中であり、承認されればイタリア自動車クラブ(ACI)はできる限り早く新しいリーダーを選出することになる。モンツァがF1の要件に従うにはまだ多くの作業が残っており、このイベントを運営してきたグループのトップが交代するのは最悪のタイミングであることから、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリと地元当局はレースの将来についてかなり神経をとがらせている。
イタリア政府は、いかなる公職においても3期を超えて任期を務めることを禁じることを目的とした緊急命令を発令した。この規定は遡及適用されるため、現在4期目の任期を務める79歳のACI会長アンジェロ・スティッキ・ダミアーニは、辞任を余儀なくされることになる。
この結果を予想して、ACIはすでに新たな選挙の準備を進めている。このプロセスには明らかに緊急性があるものの、新しい代表者がその座につくのは早くても5月中旬になるだろう。これは今後100日間、モンツァの施設のアップグレードを進めるために必要な決定を下し、書類に署名し、資金を放出し、その他すべての作業を実行できる立場にある人物が不在となることを意味しており、今後数週間ですべてが停止することになる。これにより、ACIの新代表者が今年のレースまでに必要とされる作業をすべて完了させることは難しくなるだろうし、またその人物が、スティッキ・ダミアーニがF1との交渉で受け入れたすべてのことに同意するという保証もない。
それを恐れたドメニカリは、イタリア政府のインフラ交通大臣であるマッテオ・サルビーニ、経済開発大臣のジャンカルロ・ジョルジェッティ、スポーツ大臣のアンドレア・アボディの3人に手紙を書き、ドメニカリの言葉によれば“常に真剣に取り組んできた”スティッキ・ダミアーニが作成し、署名した誓約書に対する保証を求めた。ドメニカリはさらに、「昨年締結した契約条項を尊重し、モンツァでの工事が予定通りに遂行されるという保証が必要だ」とも書いた。
ボールは今や完全にイタリア政府側にあるが、これまでのところドメニカリの反応に対する回答はない。モンツァは、2031年までカレンダーにレースを残すことになる新しい契約が履行されるのか、それとも取り消されるのかを知るまでに、100日ほどかかるかもしれない緊迫した状況に直面している。