【写真】當真あみ、キュートさあふれる撮りおろしショット
◆これまで演じたことのないタイプのキャラクターに挑戦
本作は、北海道の大自然を舞台に獣医師を目指す若者たちの青春物語。原作は、第7回未来屋小説大賞に続き、第45回吉川英治文学新人賞をダブル受賞した藤岡陽子の同名小説。連続テレビ小説『スカーレット』、ドラマ10『満天のゴール』の水橋文美江の脚本によりドラマ化される。山田杏奈が、母を亡くしたあと父の再婚相手とうまく行かず、中学の3年間は愛犬のパールと共に引きこもっていた主人公・聡里を演じ、當真は、医者一家なのに医学部に落ちたというコンプレックスを抱え、“コミュ障”な聡里を毛嫌いするルームメイトの綾華に扮する。
「動物の命の尊さをすごく感じる作品」と本作に感銘を受けたという當真。「これから獣医師を目指していく学生が初めてのことに直面して悩んだり、人間関係でも悩んだりしつつも、同じ方向を目指す仲間として頑張っていく姿に感動しました」と語る。
演じる綾華を、「もともとは獣医師ではなく医者を目指していたのですが、大学に受からなくて代わりに獣医師をということで、この大学に来たんです。もともと目指していたわけではないということもありますし、動物が苦手で血を見ることも怖くて、不安や焦りを抱いている女の子です。そうしたこともあって、聡里に少し強く当たったりしています」と紹介。これまでどちらかというと大人しいキャラクターを演じることの多かった當真にとって、珍しい雰囲気の役どころだ。「今までなかった感じの子だったので、少し難しいな」と感じたというが、「きつく当たる最初のころと、聡里に気持ちをぶつけられて彼女の過去を知り、そこから打ち解けていった後の変化をどうつけようかと考えました。口調も表情も最初と後では違うと思うので、そこを意識しました」と、台本をしっかり読み、悩みつつも役作りに臨んだ。
自身と綾華の共通点はあまりなかったそう。「綾華が抱えているコンプレックスだったりも、今までそんな感情になったことがなかったので、綾華という女の子はどういう子なのかというのをしっかり考えました。ここは一緒だなっていう自分との共通点を少しずつ見つけていって、ここが一緒ということはこういう考え方は同じなのかな、ここは違うからこういうふうにやってみようかなと考えながら演じました」。
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沖縄出身の當真は、今回初めて北海道を訪れた。初北海道の印象は「広かったです」と笑顔。「ロケで使わせていただいた大学もものすごく広くて。動物や作物を育てる土地もそうですし、大学の建物もたくさんあって、しかも建物同士がすごく離れていたり。とにかく広かったです」と驚いたそう。
獣医師を目指す役柄ということもあり、山田演じる聡里や萩原利久が演じる残雪らは、動物の出産シーンや飼育シーンなども多い。動物は好きだという當真だが、「ただ触れ合うのはちょっとだけ怖くて。怒らせたらどうしようと少しためらっちゃったりします」と明かす。演じる綾華が動物が得意ではないということもあり、動物たちと触れ合うシーンは少なく、遠くから眺めることが多かったそうだが、獣医学部の雰囲気は満喫したという。
聡里を演じる山田とは初共演。どちらかというと人見知りのほうだという當真だが、「山田さんは経歴も年齢も先輩ではあるんですけど、壁をまったく感じさせない優しい方。現場でも気さくに話しかけてくださったので、お芝居においても同級生という間柄を自然に演じることができました」と感謝する。
改めて本作の見どころを尋ねると、「動物の命の尊さをすごく感じる作品で、出産のシーンだったり、私たちが命をいただくということにも感謝をしなきゃいけないなと感じたので、観ていただく方にもいろいろなことを感じていただける作品になっていると思います。動物にも人間関係にも向き合っていったり、時に恋の予感もあったりと、温かいシーンがたくさんあるので、ぜひ見ていただきたいです」と自信を見せる。
◆今春高校を卒業 役柄の幅が広がることが楽しみ
『妻、小学生になる。』でのデビュー以後、大河ドラマ『どうする家康』、『大奥「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」』、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』と、さまざまな作品と共演者に恵まれ、成長を続けてきた。これまでの3年を「お芝居がすごく楽しいと思いながら過ごせた」日々と振り返る。「最初はやっぱり、セリフを覚えなきゃ、現場で飛ばしちゃ絶対ダメだとセリフのほうに意識が傾いていて、その緊張が強かったんです。でも今は、周りの俳優さんのお芝居を受けて、それをどういうふうに返したら面白いかなとか、こういうふうにしたほうがいいなとか、そんな考えに持っていけるようになりました」と、自身でも芝居への意識の変化を感じているそうだ。
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春からの新生活に向けての抱負を聞くと「1つ1つのお仕事に真剣に向き合って、楽しんでできるようにしたいなと思っています。これまで高校生の役をさせていただくことが多かったので、これから自分も高校を卒業したことで役柄の幅も広がって、いろんな作品に挑戦できたらいいなと思っています」と意欲的だ。
プライベートでは「編み物をしたり、カメラを始めてみたりしています。意外と動き出すのが遅いので、今年もなにか一つは新しいことに挑戦できたらなと思っています」と語る當真。芝居を楽しむ心でまっすぐに作品に向きあう彼女が、今後どんな成長を見せてくれるのか楽しみで仕方ない。(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)
土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』は、NHK総合にて2月1日より毎週土曜22時放送。