カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞受賞、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートの話題作『Four Daughters フォー・ドーターズ』が、3月14日(金)より日本公開が決定した。
■消えた姉妹を巡り、革新的な手法で語られる母と娘のダイアローグ
チュニジアに住む姉妹が15歳と16歳という若さで過激派組織イスラム国(IS)に参加する決断を、なぜ下したのか。
この問いに向き合うため、残された母と妹たちは、プロの俳優の助けを借りながら、自分たちの人生の重要な出来事を追体験していく。その過程で、家族の複雑な歴史が徐々に明らかになっていく。
母親であるオルファ本人が演じるには精神的な負担が大きい場面で起用されたのは、エジプトとチュニジアの名女優ヘンド・サブリ。
かつて1950年代のチュニジア王政最後の王宮を舞台に、低い身分ゆえ運命に翻弄される母と娘の葛藤を描いた『ある歌い女の思い出』(1994)の娘役で一躍スターになった彼女が、本作では国を捨てた娘に苦悩する母親を演じている。
監督は『皮膚を売った男』(2021)でアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたチュニジア出身の女性監督カウテール・ベン・ハニア。
ゴッサム賞最優秀長編ドキュメンタリー賞、IDAドキュメンタリー賞最優秀脚本賞を受賞した本作は、5人の女性の魅力的な肖像であり、ドキュメンタリーという形式の従来の枠を押し広げ、記憶、反抗、母と娘の絆の本質を探求、世界中の観客の心を揺さぶった新時代のドキュメンタリー映画である。
『Four Daughters フォー・ドーターズ』は3月14日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。
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(シネマカフェ編集部)