2025年にフェラーリがFP1セッションで起用するルーキーの最有力候補として、育成ドライバーであるディーノ・ベガノビッチが浮上した。ベガノビッチは、先週フェラーリがスペイン・バルセロナで実施した旧型車テストTPCに、リザーブドライバーのアンドニオ・ジョビナッツィとともに参加、3日目最終日に走行を行ったとみられる。
プライベートテストのため、フェラーリは情報を公開していないが、1月30日、ベガノビッチは2023年型マシンSF-23に乗り、F1パワーに慣れるために周回を重ねたものと考えられている。
フェラーリは、F1開幕前に、ベガノビッチにフィオラノで複数回にわたり走行の機会を与える予定だ。そのことから考えて、ベガノビッチがフェラーリのF1プログラム内でより大きな役割を担う準備が進められていることが分かる。
スウェーデン出身21歳のベガノビッチは、2024年、FIA F2シーズン終盤に初登場、最後の2ラウンドに参戦し、すぐさまスピードを発揮するとともに安定した走りを披露し、周囲を驚かせた。彼は自分よりもはるかに経験豊富なライバルたちと渡り合い、表彰台を獲得、さらに2回の入賞を記録した。
2024年にFIA F3での2シーズン目を過ごしたベガノビッチは、前年と同様のランキング6位にとどまり、フェラーリ・ドライバー・アカデミーでの立場が危ぶまれた。しかしFIA F2で即座に速さを見せたことにより、フェラーリチーム代表フレデリック・バスールを納得させ、アカデミーにとどまることになった。2025年にはハイテックからFIA F2に参戦、ウイリアムズの育成ドライバー、ルーク・ブラウニングのチームメイトとしてシーズンを戦う。
F1競技規則の変更により、2025年には、各チームは、これまでより多く、ルーキーをフリープラクティスで起用しなければならない。各レギュラードライバーは1シーズンにつき2回、チーム全体では4回、つまりこれまでの2倍、若手ドライバーを金曜FP1で走らせることが義務付けられるのだ。
ベガノビッチにとって2025年の最大の目標は、フル参戦初年度にFIA F2でタイトルを獲得することだ。一方で、フェラーリのFP1ドライバーの第一候補になり、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールに代わって走行するものと考えられている。
昨年までフェラーリ・ドライバー・アカデミー内で最優先されるドライバーはオリバー・ベアマンだったが、彼は今年、ハースからF1フルシーズン参戦デビューを飾る。そのため、ベガノビッチがベアマンに代わる存在になるだろう。
2024年最終戦アブダビで思いがけずFP1出場の機会を与えられたアーサー・ルクレールは、今年はWECプログラムを最優先しつつ、グランプリの週末にはシミュレーター作業を担当する予定だ。一方、ジョビナッツィはリザーブドライバーとしてチームに同行する。