JR西日本では2019年から一部の新快速に有料座席サービス「Aシート」を連結しています。2025年1月末現在、新快速「Aシート」は1日6往復が設定されていますが、3月末から5月までの毎週金曜日の夕方〜夜間、ゴールデンウイーク期間の昼間時間帯に臨時設定します。昨年秋には3連休等にも臨時設定がありました。
同じ京阪間の座席有料車両である京阪「プレミアムカー」や阪急「PRiVACE」と比較すると、ビジネスライクな雰囲気漂う「Aシート」ですが、土休日の様子はどうか。実際に乗車して、確かめてみました。
リクライニングシートの「Aシート」
新快速「Aシート」は野洲・草津〜姫路・網干間で1日6往復の設定があります。ただし、平日と土休日でダイヤは異なります。新快速「Aシート」は指定席となり、乗車券の他に指定席券が必要です。指定席券は一律840円ですが、チケットレス指定席券(JR西日本ネット予約サイト「e5489」経由)だと600円です。
車内はテーブル付きのリクライニングシートが並び、全席にコンセントを設置。無料WiFiサービスも利用できます。
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また、3月末から5月までの毎週金曜日にAシートを連結した「新快速80・81号」を運行します。ダイヤは新快速80号が姫路18時10分発、新快速81号が野洲20時59分発です。
また、ゴールデンウイーク中にはAシートを連結した「新快速90・91号」を設定。ダイヤは新快速90号が姫路10時42分発、新快速91号が野洲13時45分発です。
土休日も認知度が高まる「Aシート」
1月の休日を利用し、芦屋駅から同駅10時30分発の新快速26号野洲行きに乗車しました。
芦屋駅では筆者の他に数名がAシート車内に入り、ターミナル駅間の中間駅からの利用者も確実に存在することがわかります。乗車率は7割ほど。平日はビジネスパーソンが目立ちますが、土休日ということもあり、家族連れの姿もありました。リクライニングシートもさることながら、立ち客がいないため、一般車両と比較にならないほどリラックスできます。
大阪駅には10時43分に到着。ここで、半分ほどの利用者が降りる一方、乗車は大阪駅の割にはそれほど多くありませんでした。追加料金600円と大阪〜京都間約30分とのバランスを考えると、少し割高に感じられるのかもしれません。ただし、隣駅の新大阪駅ではグループ客の乗車もあり、新大阪〜京都間は座席が8割以上が埋まりました。
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11時14分に京都駅に到着。ここで筆者も含め、大半の利用者が降り、車内は閑散としていました。
京都〜大津間は9分、京都〜草津間は20分、京都〜野洲間は28分です。乗車時間を考慮すると、京都からのAシート利用はあまり望めないと思います。また、野洲駅はJR西日本1日あたり利用者数ベスト50駅(2022年度)に入っていません。
米原行きであれば、京都〜彦根間(48分)・京都〜米原間(53分)の利用は考えられますが、運用面等の理由から野洲以遠の延長は実現していません。
土休日のAシートでは訪日観光客も利用し、Aシートの認知度が高まっているように感じました。一方、Aシートは事前予約が必須となり、Aシート車内には乗務員はいますが、以前のような車内での整理券販売は行っていません。
そのため、スーツケースを持った利用者がスマホを通じて指定席券を購入し、Aシートに着席するシーンも見られました。Aシートの宣伝と共に、事前購入が必須であることも周知徹底した方が良いのでは、と一利用者の立場から思いました。
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(まいどなニュース特約・新田 浩之)