2024年公開の独立系ホラー映画における全米最高のオープニング成績をおさめ、独立系ホラー映画として過去10年間の全米最高興収を記録したオズグッド・パーキンス監督の話題作『ロングレッグス』。主演を務めるのは、新世代のスクリーム・クイーンとして注目を集めるマイカ・モンローだ。
ニコラス・ケイジが、40年以上のキャリアで初めてのシリアルキラー役に挑戦し、「陰惨な連続殺人鬼役はこれが最初で最後となる」と、本人がコメントするほどの悪役を演じたことでも話題の本作。
そんな最狂のシリアルキラー「ロングレッグス」と対峙することになる新人FBI捜査官リー・ハーカーを演じるのが、主演のマイカ・モンローだ。
マイカ・モンローは、2016年日本公開の映画『イット・フォローズ』で主演を務め、得体のしれない「それ」に追われる恐怖を体現し、新世代のスクリーム・クイーンとして話題となった。
その後もクロエ・グレース・モレッツ共演の『グレタ GRETA』(2019)や、Netflix映画『視線』(2022)、『神は銃弾』(2024)といったホラー&スリラー作品に立て続けに出演し、ホラーヒロインの地位を不動のものにした。
本作でマイカ・モンロー演じるリーは、長年未解決だった連続殺人事件の捜査を任される。捜査の末ロングレッグスと名乗る人物にたどり着き、様々な恐怖が襲い掛かるのだが、いかなる修羅場に直面しても彼女は“叫ばない”のだ。
歴代のスクリーム・クイーンと言えば、『ハロウィン』シリーズのジェイミー・リー・カーティスや、『エイリアン』シリーズのシガーニー・ウィーバーらが有名だが、本作でのマイカ・モンローは叫ばないことで、リアルな緊迫感と恐怖を観客に植え付けている。
なおマイカ・モンローは、『羊たちの沈黙』(1991)が映画全体に影響を与えていることに言及した上で、ほかにもインスピレーションを受けた作品があると言い、「特に『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)から多くのヒントをもらいました。ルーニー・マーラが演じたリスベット・サランデルもハーカーも自分を部外者のように感じていて、どこにも馴染めず、犯罪を解決することだけが唯一しっくりくる場所だというところが似ています」と、コメントしている。
その繊細な感情表現は、ホラー界の新たなヒロイン像を打ち立てたと言えるだろう。すでに『イット・フォローズ』の続編となる『ゼイ・フォロー(原題)』や、リメイク版『ゆりかごを揺らす手』への出演が発表されているように、今後も更なる活躍が期待される。
ちなみに本作の背景となった1990年代は、デヴィット・フィンチャー監督の『セブン』(1995)に代表されるシリアルキラーもののサイコ・スリラーのブームが巻き起こった時代。常識を逸する猟奇殺人犯や、現場に残されたメッセージといった設定は本作にも色濃く反映されており、何より予想を上回るクライマックスの展開は、観客に大きな衝撃を与えた。
折しも1月31日から期間限定で『セブン』がIMAX上映中。この機会にブームをけん引した名作を鑑賞すれば、より一層本作を楽しめるはずだ。
全米の観客にトラウマ級の恐怖を与えた本作のクライマックスをぜひ体感してほしい。
『ロングレッグス』は3月14日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)