ソニー損害保険は1月31日、自宅の防犯対策の見直し状況に関する調査の結果を発表した。調査は2025年1月7日〜1月8日、持ち家家庭で火災保険に加入している300名を対象にインターネットで行われた。
○「防犯意識が高くなった」6割超
闇バイトによる犯罪報道をきっかけに、「住宅における防犯意識が高くなった」と回答した人は6割以上(65.0%)いることが判明した。一方で「変化していない」と回答した人は約3割(34.0%)いることが分かった。
調査結果から、闇バイトによる犯罪報道が多くの人々に防犯への意識を喚起した一方で、依然として意識が変化しない人々も一定数存在することが分かった。
○「防犯の見直しや具体的な対策を行っていない」約7割
闇バイトによる犯罪報道をきっかけに、具体的な防犯対策を行ったかを聞いたところ、約7割(70.3%)の人が「実施していない」と回答した。また、防犯対策を行っていない人(211人)に、理由を聞いたところ、「具体的に何をしたらいいのか分からない(47.9%)」が最も多く、次に「対策しても効果があるか疑問に思っている(21.8%)」、「防犯対策のための予算がない(19.4%)」という結果となった。
この結果から、防犯意識は高まってはいるものの、実際の行動が伴っていないことが判明した。特に「何をしたらいいのか分からない」という回答が半数近くを占めていることから、具体的な対策に関する情報提供が不足していることがうかがえる。また、防犯対策に対する効果への疑問や予算面への懸念も、実施に踏み切れない理由として大きな要因となっていることが分かった。
○実施した対策で最も多いのは「戸締まりの徹底」
闇バイトによる犯罪報道をきっかけに防犯対策を実施したと回答した人(83人)に、どのような対策を行っているか聞いたところ、「戸締まりの徹底(60.2%) 」が最も多く、次に「防犯カメラの設置(41.0%)」、「雨戸やシャッターを下ろす(30.1%)」という結果となった。
「火災保険の補償内容の見直し」は2割以下(16.9%)となり、多くの人々が物理的な防犯対策に力を入れている一方で、万一の盗難に対する補償への関心は比較的低いことが判明した。
○火災保険の「盗難補償」について
火災保険の盗難補償について聞いたところ、約6割(55.7%)が「盗難補償を知っている」と回答し、実際に「盗難補償に加入している」人は3割(30.0%)いることが判明した。一方で、盗難補償について知っていながらも「加入しているか分からない」が約1割(14.0%)、そもそも盗難補償について「知らない」人が約4割(44.3%)いることが判明し、盗難補償自体があまり認知されていないことが分かった。
○万一に備える10のポイント
調査では、防犯アナリスト・桜井礼子さん監修による、自宅のセキュリティ対策や万一被害に遭った際の適切な対処法をまとめた「万一に備える10のポイント」を紹介している。
○1.不審者および不審車両のチェック
不審者は現場を下見しにくるという。地域で普段見かけない不審な人物や車を見たとき、また押し売りに近いセールスや訪問販売が来た時には躊躇せず110番通報を、とのこと。
○2.開口部の徹底した施錠
防犯の基本は施錠の習慣をつけること。今は家に人が居ても居なくても、鍵を掛けて過ごすことが推奨される。門扉・玄関・勝手口・各窓は常に施錠を。
○3.敷地の見通しを見直す
不審者は人に見られることを嫌うため、通りから敷地がよく見えるように、植栽を選定するなど、見通しを良くすることができる。
○4.高いフェンスやゲートの設置などの侵入防止を
敷地内に誰でも簡単に入れる環境はとても危険なため、敷地内に簡単に入れないように、高いフェンスにし、門扉・車のゲートで敷地全体を囲い、人が簡単に入れない環境を造ることが大切。
しかしそれでも突破してくる不審者はいる。侵入したときにすぐに分かるように、人と車にだけ反応するAIカメラを設置し、窓などの開口部は防犯ガラス・CPマークの付いた防犯フィルム・防犯格子・防犯シャッターにする等、対策を強化したい。
○5.明るさを見直す
夕方に日が落ちて敷地内が暗いと、犯罪者に狙われる可能性が高くなるという。不審者は明るい所を嫌うため、敷地内をできるだけ明るく保つことが重要となる。門扉、玄関、勝手口の照明を点け、明るさが足りない部分にはセンサーライトを設置することで、明るさの補強ができる。
○6.火災保険に盗難補償をつける
万全な対策をしても強行突破してくる犯罪者はいる。そのような場合に備え、加入している火災保険に「盗難補償」を付けることが推奨される。これにより、自宅に窃盗や強盗・空き巣が入った際の窓ガラスの破損や錠の破損、加えて実際に盗まれた家財の被害が補償されるとのこと。
○7.犯罪が多発している地域について知る
居住地域で発生している犯罪を知ることも大切。犯罪が多発している地域は、犯罪が多発している地域は、不審者が犯罪を犯しやすい環境になっている可能性が高い。そのような地域に住んでいる場合は、いつ犯罪被害に遭っても不思議ではないと桜井氏は指摘する。
○8.狙われやすい立地条件を学ぶ
家の並びの一番奥・旗竿地・空き家の隣・周りが田畑・公園から見える・月極駐車場の隣など、狙われやすい立地条件は多くある。狙われやすい立地条件について学び、自宅の立地を確認することが推奨される。
○9.地域コミュニティを活かす
地域のコミュニティは、防犯対策の要となる。不審者は、地域住民に顔を見られたり、あいさつされることを嫌がる傾向がある。そのため、地域の目が光っていると、自分の家だけでなく、その地域全体が犯罪のターゲットから外れる可能性が高くなるという。
○10.緊急時の通報体制
自宅に居るときに異常を感じたら、光と大きな音で外部に知らせ、指定した連絡先へ通報されるセキュリティシステム(緊急非常通報装置など)を設置することが有効となる。現在はワイヤレスのペンダントタイプや腕時計タイプなどもあるという。(Yumi's life)