ニューウェイ、シーズン前からRB20の方向性を懸念していたと明かす。軌道修正が遅れた理由に“経験不足”を挙げる

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2025年02月05日 07:00  AUTOSPORT web

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2024年F1第16戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
 レッドブルの元チーフテクニカルオフィサーで、アストンマーティンのマネージングテクニカルパートナーに就任するエイドリアン・ニューウェイは、退任するかなり前からチームの2024年型マシン『RB20』の開発方向性について懸念を抱いていたことを明かし、ミルトン・キーンズを拠点とするチームのエンジニアたちが、RB20の根本的な問題を過小評価していたことを示唆した。

 レッドブルは2024年シーズン序盤の10レースのうち7レースで優勝するなど成功を収めたが、その後パフォーマンスは大幅に低下し、最終的にマクラーレンにコンストラクターズタイトルを奪われることになった。レッドブルの不振の始まりは、チームを離れることをニューウェイが5月に発表したのと時を同じくしていた。

 セルジオ・ペレスは第7戦エミリア・ロマーニャGP以降トップ5入りできず、マックス・フェルスタッペンは第10戦スペインGPで勝利を挙げてから終盤の第21戦サンパウロGPまで長らく勝利から遠ざかった。ニューウェイは、正式にチームを去るずっと前からRB20について懸念を抱いていたことを認めた。

■早期の警告サイン

「2023年の最後の段階から、すでにマシンはドライブするのが難しくなり始めていた」と、ニューウェイは『Auto Motor und Sport』のインタビューで説明した。

「もちろん、それはマックスには合っていたので、言ってみれば彼なら対処できただろう。彼に合っていなくても、彼はそれに対処することができた」

「チェコ(ペレスの愛称)はそうできなかった。だから、2023年を通してマックスとチェコのチームメイト間のパフォーマンスの違いがさらに見られていた。それは2024年前半まで続いたが、マシンは対応できるほど十分に速かった」

「私はそのことを心配し始めていたが、組織内の他の人たちはあまり気にしていないようだった」

 ニューウェイは、レッドブルのエンジニアたちが開発の軌道を調整する必要性を認識していなかったと考えている。

「外から見える限りのことでは、よくわからない……。これは批判ではないが、レッドブルの人たちはおそらく経験不足から、同じ方向に進み続けただけだと思う」

「そして問題はどんどん深刻になり、マックスでさえドライビングが困難になるほどだった」

 実際、チームはCFD(数値流体力学解析)とシミュレーターのデータと、コース上でのパフォーマンスの不一致を調整するのに悪戦苦闘し、その後のアップグレードパッケージでは期待された改善を実現できなかった。

■セットアップの調整では根本的な問題を解決できず

 フェルスタッペンがハンドリングの難しさについて声高に語るようになると、レッドブルはセットアップの調整を通じて問題を軽減しようとした。しかしニューウェイは、そのような変更は根底にある問題を解決するのではなく、隠すだけだと主張している。

「セットアップによってある程度は問題を隠すことができるが、問題は残ったままだ」

「私にとってセットアップとは、単純にマシンの特性と、もちろんある程度ドライバーの特性を最適化することだが、やりすぎだと思う。それは主にマシンの特性を補完するためであり、もちろんサーキットの性質に応じてサーキットごとに変化をつけるためのものだ」

 ニューウェイの退任は、レッドブルにとってひとつの時代の終わりを意味する。彼の洞察は、チームが問題をもっと早く認識していれば、2024年の苦戦は避けられたはずだったことを示唆している。マクラーレンが復活し、他のチームが差を縮めているなか、レッドブルの今後の課題は、失敗から学び、2025年の開発アプローチを改善することだろう。

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