【ワシントン時事】米国の公的医療保険を管轄するメディケア・メディケイド・サービス・センター(CMS)は5日、実業家イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省」が、CMSのシステムにアクセスしたと発表した。国民生活に深く関わるメディケア(高齢者向け公的医療保険)への介入は、一段と批判を招きそうだ。
CMSは、効率化省に協力する2人のベテラン職員を配置していると説明。「システムなどへの適切なアクセスを担保している」と強調した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同省関係者はこれまでに決済および契約のシステムや、支出状況を調査。「不正や無駄」と考えられる事象を特定しようとした。組織や人員配置についても調べたが、アクセスは「閲覧」に限られたという。
効率化省を巡っては、マスク氏の関係者が財務省の決済システムにアクセスしたことで、個人情報の扱いを巡る懸念が浮上。対外援助を担う国際開発局(USAID)もコスト削減の標的となり、「解体」の危機に直面している。