フジテレビのCMがいよいよACジャパン一色となり、「放送事故レベル」と話題になっている。しかしフジの放送事故はもはやお家芸?
「古くは『ドキッ!丸ごと水着 女だらけの水泳大会』でセクシー女優の胸がポロリなどの“仕込み”がありました。『27時間テレビ』内での笑福亭鶴瓶さんの局部ポロリも、わざとだったのかもしれません。『笑っていいとも!』は生放送でトラブルが多く、テレフォンショッキングのコーナーに一般人が乱入したことも」
と、芸能評論家の宝泉薫さんが同局の“黒歴史”を振り返る。
「ちゃかしたり、失敗を笑うみたいなのがフジの社風」
「笑えない、意図しないことが起きたのは『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』です」
同番組のゲストとして収録に参加した香港のバンドメンバーが2・7メートルの高さから落下し死亡する事故が起きたのだ。これを受けて番組は打ち切りを正式に発表。
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「当時テレビ誌のコラムを担当していて、事故が起きる1か月くらい前に番組を取材していたんです。その際、プロデューサーの態度に驕りを強く感じたんですね。そういう現場は危機管理が緩く事故が起きやすい。あの事故は人災だと私は思っています」(宝泉さん、以下同)
重篤な事故を起こしても、いまだに続いている番組もある。『めざましテレビ』(1994年〜)だ。
「朝の番組が低調だったフジがNHKから大塚範一アナを引き抜いて、初代アシスタントの八木亜希子アナや小島奈津子アナとのコンビもハマり、上昇気流に乗っていましたよね。菊間さんの事故はまさに好事魔多しの典型的な出来事だったと思います」
2002年、めざましリポーターだった菊間千乃アナが避難器具の体験リポートをした際、マンション5階の窓から落下し全治3か月の重傷を負うことに。
「本人にも番組にとっても不運な事故でしたが、菊間さんは父親がバレーボール界で力を持っており、事故後は会社が菊間さんを特別扱いするように。彼女もそれを生かしてセカンドキャリアの道を歩み、今ではフジの顧問弁護士を務めています」
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タレントのヒロミも事故をうまく利用した1人、と宝泉さん。同局の『1or8』(1991年)の「ロケット花火1万本を背負って宇宙に行く」という企画で全身火傷を負った。
「その後、『ボキャブラ天国』の司会を務め、芸人の兄貴的な立場で生き残っています。中居正広さんの問題でもヒロミさんの名前が取り沙汰され、菊間さんはTBSの情報番組で三谷幸喜さんにツッコまれたりと、2人が今話題になっているというのも因縁めいたものを感じます」
フジテレビに事故が多い原因として、宝泉さんは「公私の区別がない」ことを挙げる。
「内輪ノリをテレビに出しちゃったんですね。『オレたちひょうきん族』でひょうきんディレクターズとしてスタッフが出演したのを皮切りに、とんねるずは裏方を集めて、野猿というグループまでつくった。視聴者も番組に参加している気分になるというか、港浩一前社長のことはとんねるずの番組を通して知っていた人も多いですよね。
1980年代、1990年代はそれがいいほうに出た。NG集としてドラマの裏側を見せたり、プロ野球珍プレー好プレーにしてもそう。ちゃかしたり、失敗を笑うみたいなのがフジの社風。でも、内輪ノリというのは身内に甘くなるので、時代には合っていたけど事故のもとなんです」
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日枝久相談役を含む“老害”を一新しないことにはフジの再生はないだろう。