世間をにぎわせている連続殺人鬼。もしもその殺人鬼のターゲットがあなたで、殺す日をあらかじめ予告されていたとしたら……さてどうする?
これから殺されるかもしれない女と、女を救おうとするホットラインの職員。緊迫したふたりのやり取りの裏に隠された世にも怖ろしい秘密。すべてを知ったとき、一気に視界が開ける感覚を味わえますよ。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Prime Video『カレンダー・キラー』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
自宅で「帰宅ヘルプホットライン」のボランティアをしている男性・ジュールスは、電話を通じて危険にさらされている女性を救っています。
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ある日のこと、電話をかけてきたクララという女性が「私は今夜殺される」と告げるのです。
会話を続けるうちに、クララは連続殺人犯カレンダー・キラーの次のターゲットが自分であることを話し始めました。ある日地下室で目が覚めたら、壁に「12月6日、彼(夫)か君かどちらかが死ぬ」と書かれていたけれど、証拠が消えてしまったので誰もそのことを信じてくれないとーーー。
しかもクララは夫から日常的に虐待されていて、夫にかかわることをひどく怖れていました。
なんとか助けてあげたいとジュールスは奮起しますが……そのころ街ではクララを狙う何者かが不振な動きを見せていたのです。
【ココが見どころ!】
<その1:いったい何が起きているのか…謎多きストーリー展開>
連続殺人犯と夫から逃げようとするクララと、そんな彼女を救おうと寄り添い続けるジュールス。物語はこのふたりの会話を軸に進んでいきます。
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そして、ふたりのやり取りと並行するかたちでさまざまな出来事が起こるわけです。ジュールスにやたらと電話をかけてくる父、子ども部屋で眠るジュールスの娘、家の物音に異常に反応するジュールスの描写ーーー。
これらは一見すると全く関連性がないように見えるので、おそらく多くの人が、しばらくなにがなんだかわからない状態で鑑賞することになると思います。
<その2:物語の随所にちりばめられた伏線とトラップ>
あらすじだけ読むと、よくあるミステリー&サスペンスにも感じられるけど、このお話はとても「ひっかかり」が多い。一見すると物語と関係ない=ノイズにも思える描写がストーリーに深くかかわっていたりするので、1秒たりとも見逃せないんですよ。
「あれ、なんだったんだ今のシーンは」と違和感を感じたら、それこそが伏線とトラップです。
<その3:最後の伏線回収で視界が開ける!!>
謎多き本作ですが、最後の30分ですべての謎が解き明かされるのでどうかご安心ください。
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連続殺人犯カレンダー・キラーの正体はいったい誰なのか。そもそも殺人犯はなぜクララと夫に狙いを定めたのか。誰が味方で誰が敵なのか。伏線が一気に回収されたとき「そうだったのか!!!」と視界が開ける感覚を味わえるはず。
【本作が本当に伝えたいこと】
セバスチャン・フィツェックによるドイツのベストセラー・スリラー『帰り道(Der Heimweg)』を映画化した『カレンダー・キラー』。物語の真相が明らかになったとき、本作が本当に伝えたかったことも見えてきます。
ただのミステリー&サスペンスではなく、ドイツをむしばむ社会問題「DV」にも深く切り込んでいる本作。日本でも起きている問題でもあるので、考えさせられることも多い作品です。
■今回ご紹介した作品
『カレンダー・キラー』(原題:Fitzeks Der Heimweg)
Prime Videoで独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:© Amazon MGM Studios