確定した刑事裁判をやり直すかを決める再審手続きを巡り、最高裁は審理の課題について議論を始める方針を固めた。最高裁が再審制度に絡んで意見交換の場を設けるのは初めてとみられる。再審公判の開始を求める請求審の長期化への懸念が背景にあり、最高裁の試みが円滑な審理につながるか注目される。
再審の規定は刑事手続きを定めた刑事訴訟法にあるが、再審請求審での証拠開示や審理の進め方の決まりが明文化されておらず、1948年に刑訴法が制定されてから変わっていない。
しかし2024年に、静岡県の一家4人殺害事件で一度は死刑が確定した袴田巌さん(88)が事件から58年を経て再審無罪とされ、請求審の長期化の問題が改めてクローズアップされた。
こうした状況を受け、最高裁は、研究機関「司法研修所」が常設する刑事事件の研究会で再審の課題を取り上げる。全国の裁判官約40人が2月18日に集まり、議論をする予定という。
再審制度を見直し、刑訴法を改正すべきだとの機運が高まりつつあるが、研究会はあくまで現行制度の枠内での運用に関して意見を出し合う場になるという。過去に再審請求審を担当した裁判官にも参加してもらい、実践的な経験も取り込む。個別事件の検証には踏み込まない。
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研究会は継続的に再審の課題を議論する見通しで、最終的に得られた知見は、全国の裁判官に共有されるとみられる。【巽賢司】
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