【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆今年のメンバーでは2頭の牝馬に注目
この先の戦い方が決まるかもしれない東京新聞杯ときさらぎ賞。マイルのGIかクラシックに名のりを上げることができるかどうか、しっかり見とどけておきたい重賞だ。
1番人気が苦戦する東京新聞杯は、7年前にリスグラシューが4歳牝馬として25年ぶりに勝ってから、シャドウディーヴァ、ファインルージュ、ナミュールと4歳牝馬が2着に続き、この間に5歳牝馬のプリモシーンの勝利も加わり、このところ牝馬の活躍が目立ってきた。
今年のメンバーでは、2頭の牝馬に注目したい。4歳のボンドガール、5歳のブレイディヴェーグだ。
ボンドガールは、昨夏クイーンS2着。そして、紫苑S3着、秋華賞2着と距離を延ばして鋭い脚がみられるようになった。実績がありながらまだ1勝馬で、今回55キロの斤量で走れるのは有利だ。この先のヴィクトリアマイルを見すえて、東京の長い直線で本領発揮といきたいところだ。
ブレイディヴェーグは、2年前にエリザベス女王杯を勝って11ヶ月ぶりに昨秋、府中牝馬Sを勝ち、東京は3戦3勝と得意としている。キャリアは、まだ7戦。この後のドバイターフという大目標のためにも、しっかり走っておきたいところだ。
牡馬では、鋭い決め手が武器で東京は2勝している4歳馬ウォーターリヒトの快走が見られるかもしれない。
穴馬には、2勝クラスから連勝して昇級初戦となる4歳馬オールナットを。このケースで東京新聞杯にチャレンジした馬は、この10年で5頭いて、ヴァンセンヌ、インディチャンプ、カラテ、そして3年前のイルーシヴパンサーと、実に4頭も勝っている。
オールナットは、10月京都で2勝クラス、12月も京都で3勝クラスといずれも1800米で連勝して、今回初重賞制覇を狙っている。秘かに見ておきたい馬だ。
きさらぎ賞は、ここを勝ってクラシックへの出走を確実にしたい一戦だ。
京都の1800米だから途中ペースが落ち着くので、あるていど前めのポジションがほしい。その点、サトノシャイニングの速い脚を使える武器が生きるコースだ。
前走の東京スポーツ杯2歳Sは押し出されて先頭に立ち、昨年の最優秀2歳牡馬のクロワデュノールに0秒1差の2着と、最後の最後まで苦しめていた。新馬を勝ったときのように、2・3番手から走ることは可能だし、じっくり間隔をとっての挑戦に期待したい。
似たようなタイプに見えるショウヘイは、デビューして走った2戦が京都1800米2着と1着と結果を出している。初戦は早目に抜け出し、勝ち馬の決め手に敗れたが、2戦目で好位から追うところのない勝ち方を見せ、万全でここに挑んできた。
そしてもう一頭が、ランスオブカオスだ。スタートが速くないので1800米と距離が延びるのがいい。力強い伸び脚がある。
「このあとの 路線占う 試金石」