2024年、2レース制の最終鈴鹿ラウンドで連勝を飾った太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 2月10日、東京都内で行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権のプレスカンファレンスで、2025年シーズンのレースフォーマット詳細が発表された。
2025年のスーパーフォーミュラは全7大会12レースが予定されており、鈴鹿サーキット、モビリティリゾートもてぎ、富士スピードウェイで開催される5大会は1ウイーク2レース開催となる。
1ウイーク2レース制は2022年から導入されてきたが、走行マイレージをさらに増やす狙いなどから、今季は2レース開催の大会が大幅に増えるのがトピックのひとつとなっていた。
さらに10日のプレスカンファレンスでは、2レース開催時の各レース距離やタイヤ交換義務を消化できる周回数にも変化をつけることが明らかとなった。
昨年までは、全戦ともにレース中に1度のタイヤ交換が義務付け(雨天によりウエットタイヤを装着した場合は適用外)とされており、その作業ができるのは10周目以降で統一されていた。
2025年もレース中のタイヤ交換義務は継続されるが、各日でそれぞれフォーマット分けされる。土曜日のレースでは従来より約20km短い165kmの距離で争われ、ピットウインドウは昨年までと同様に10周目以降。それに対して、日曜日のレース距離は従来通り185kmに設定されるが、ピットウインドウの制限がなく、1周目からタイヤ交換が可能となる。
なお、オートポリスでの第5戦とスポーツランドSUGOでの第7戦については、1ウイーク1レース開催となるため、185kmで『ピットウインドウなし』のフォーマットが採用される。
■「エンジニアが活躍する場がもっと増える」
この変更についてJRP日本レースプロモーションの上野禎久社長は、「(土曜と日曜で)違うレースにしたいなという想いがあります」と、別のフォーマットにすることの意図をカンファレンス後の取材で語った。
「同じ距離で同じピットウインドウだと、展開が似てしまうところがある……実際にはそうではないのですが、たとえば2レースとも同じドライバーが勝つと、そういうイメージを持たれがちになります。おそらく(レース距離が)20km変わることで戦略がガラッと変わると思っていますし、エンジニアが活躍する場がもっと増えると思います」
たしかに、昨シーズンは終盤の富士と鈴鹿で1ウイーク2レース開催となったが、富士では坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が連勝、最終大会の鈴鹿では太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が両レースとも制した。過去の2レース開催を振り返っても、土日で天候が変わった2022年のもてぎを除いては、上位陣の勢力図が大幅に変わるということは比較的少なかった印象がある。
同じものの繰り返しではなくいろいろなフォーマットを盛り込んでいくなかで、ドライバー・チームがさらに強くなり、よりエキサイティングなレースになっていくことを上野社長は期待しているようだ。
なお、レース距離は各日で異なるが、ポイントシステムは全戦同じとのこと。それらも踏まえてシーズンをどのように戦っていくのか。各チームの戦略という部分も大きな注目ポイントとなっていきそうだ。