昨年のクイーン賞を制したアーテルアストレア(撮影:高橋正和) あす11日は船橋競馬場でクイーン賞が行われ、今週末の土曜15日には東京競馬場でクイーンカップが実施される。JRAでは夏に札幌競馬場でクイーンステークスもあるが、「クイーン」と付くレースは日本にいくつあるのだろうか。
重賞に限れば、JRAに2競走、地方に8競走が答え。そのうちグレードレースは先に挙げた3競走。クイーン賞は1955年に創設された歴史ある一戦で、97年からダートグレード競走に指定されている。昨年からは2月開催となり、エンプレス杯に向けたステップとなった。
クイーンCは66年のスタート。春の牝馬二冠への前哨戦の位置付けとなる。クイーンSは53年に始まったが、これまで幾度も施行条件が変更されており、代替開催を含むと東京、中山、新潟、札幌、函館の5場で開催されたことがある。ちなみにクイーンSが00年に古馬重賞となって以降、クイーンCとクイーンSのダブル制覇を果たしたのはアプリコットフィズのみ。99年以前を含めれば、ヒシアマゾンなどがいる。
地方のローカル重賞では、兵庫県競馬に3競走あって最多。あとはホッカイドウ競馬に2競走、名古屋と笠松に1競走ずつ存在する。毎年1月の兵庫クイーンセレクションは、姫路開催となる数少ない重賞のひとつ。兵庫サマークイーン賞は、その金ナイターで行われており、場内は多くのファンで活気づく。残る兵庫クイーンカップは、北陸・東海・近畿・高知・佐賀所属の交流競走で、西日本地区における最強女王決定戦となっている。
ホッカイドウ競馬では昨年から、「クイーン」と付くレースが増えた。その名もグランシャリオクイーンズといい、秋季牝馬路線のさらなる充実を図るため創設。記念すべき第1回はサンオークレアが白星を飾った。ほかには夏にノースクイーンカップが行われており、ブリーダーズゴールドカップへのステップレースとなる。
東海地区では2競走。名古屋の東海クイーンカップは4月半ばに組まれ、地方の牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN」3歳シーズンの対象レース。ここを勝って東海優駿(旧・東海ダービー)や各地に転戦する馬も多く、今後を占う意味でも見逃せない一戦となる。最後にクイーンカップは笠松の3歳限定戦。秋華賞トライアルの東海地区における代表馬選定競走としての役割を持ち、勝ち馬は紫苑S、ローズSのいずれかに出走できる。
【日本の“クイーン”と付く重賞】
クイーンカップ(JRA東京・GIII・芝1600m)
クイーンステークス(JRA札幌・GIII・芝1800m)
クイーン賞(船橋・JpnIII・ダ1800m)
ノースクイーンカップ(門別・H2・ダ1800m)
グランシャリオクイーンズ(門別・H3・ダ1700m)
東海クイーンカップ(名古屋・SPI・ダ1700m)
クイーンカップ(笠松・SPIII・ダ1600m)
兵庫クイーンセレクション(姫路・重賞・ダ1400m)
兵庫サマークイーン賞(園田・重賞・ダ1700m)
兵庫クイーンカップ(園田・重賞・ダ1870m)