「東京での開催を続けたい」とフォーミュラE首脳。トヨタやホンダの将来的な参入可能性にも言及

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2025年02月10日 23:30  AUTOSPORT web

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東京都庁で行われたフォーミュラEのPRイベントで囲み取材に対応するジェフ・ドッズCEO
 2月10日、東京都新宿区の東京都庁第一本庁舎にておこなわれた『TOKYO GX ACTION × フォーミュラE 東京大会PRイベント オープニングセレモニー』にて、フォーミュラEオペレーションズのCEOを務めるジェフ・ドッズ氏が出席し、5月に控える第2回東京E-Prixの開催を告知するとともに、イベント後に日本メディアの囲み取材に答えた。

 そのなかでドッズCEOは、今後の東京E-Prixの開催についてや、さらなる日本のマニュファクチャラーの参入、約2シーズン後に導入予定のGEN4からコントロールタイヤを供給するブリヂストンタイヤについて語った。

■「ナイトレースも考えている」東京E-Prixのこれから

 初開催となった2024年大会の際にドッズ氏は、アルベルト・ロンゴ共同創始者兼チームチャンピオンシップオフィサーとともにインタビューに答え、東京E-Prixの開催実現に向けては約10年間の交渉が行われてたことを明かしていたが、これからの開催継続については前向きな見通しを持っていることを語った。

「まず、東京にこのレースを持ってくることに関して、これまでに大変な時間を要しており、大体で9年間以上はかかったんだ」

「そして去年から東京での開催が始まったが、今ではこの活動を長期的に行っていきたいという明確な意志を持てるようになった」

「現在も都知事を含む日本の政府団体とは、この都市で行っていくフォーミュラE大会の将来について対話を進めているところだ。そして、もちろん我々は日本の東京での開催を続けたいと願っている」

 開催の継続だけでなく、東京でのフォーミュラEレースにさらなる魅力を持たせるためのヴィジョンも続ける。

「フォーミュラEは約1年半後には、今のマシンの約2倍のパワーを持つ新型マシン(GEN4)の導入を構想しているし、うまくいけば(東京の)どんなコースであったとしても良いレースができることは確かだ」

「あとは例えば、(夜間に決勝を実施する)ナイトレースなども考えている。さらには日本人ドライバーにも出走してもらいたいところだ。小林可夢偉さんや佐藤琢磨さんはもちろん、小山美姫さんもテストで乗っていたのだから、こうした方々にエントリーしてもらいたいとも思っているよ」

■ホンダと経営統合破談報道のニッサンのFE活動は「問題ない」

 そして話題は、日本のマニュファクチャラーとして長らくシリーズに参戦しているニッサン・フォーミュラEチームに移る。2月初旬にはホンダとの経営統合についての破談が報じられているが、ドッズCEOは「実質的な影響はないだろう」とその考えを語る。

「日産はフォーミュラEの強力な支援者であり、優れたクルマとドライバーを擁している。そんななかでも、彼らがトラック外で課題を抱えていたことも知っていたし、ニッサンとホンダが合併しない可能性があるという発表を読んだときには非常に残念に思った」

「しかし、彼らはメキシコシティE-Prixでオリバー・ローランドが優勝しているし、今年のフォーミュラE世界選手権での真のタイトル候補にもなるだろう。だから、実質的な影響はないだろうと思っている」

「レーシングチーム自体はトラックでの仕事に非常に集中しているし、とにかくパフォーマンスに注力していることは事実だ。彼らは我々の素晴らしいパートナーであり、彼らのビジネス交渉がどんなものであっても成功することを祈っているよ」

 さらに、一方のホンダのフォーミュラE参入についても、ドッズCEOは触れる。

「私は彼らのために働いたことがある(過去にホンダF1チームでマーケティングディレクターを担当)ので、彼らのことはよく知っているつもりだ」

「ただ、自分たちはまだホンダと実際に有意義な会話をしたことはないのが実情だ。明らかに、ホンダのマーケティングの焦点はハイブリッド車にあり、完全な電気自動車(EV)はそれほどメインではないのだろう」

「しかしその傾向も、少しずつ変化しているように思う。そのため、ホンダはもちろんトヨタも含めた日本のマニュファクチャラーにおいて、いつかはフォーミュラEも参加する意味のある選手権だと考えてくれるのではないかと、前向きな考えを持っているよ」

 最後に、2026/27年導入予定のフォーミュラE“Gen4”からのタイヤサプライヤーとなる日本のブリヂストンタイヤについて、開発の進捗を次のようにコメントした。

「今シーズンと来シーズンはハンコックが新しいタイヤを開発し、これは非常に優れた性能を発揮しているところだ。そしてブリヂストンについては、これとは違う独自のタイヤの開発を進めている」

「彼らは新しいタイヤのテストを数多く行っているし、FIAが彼らの入札成功を発表して以来、ほぼずっと第4世代車(GEN4)の開発に取り組んできた」

「彼らがこのプロジェクトに非常に前向きで、開発に多くのリソースを投入していることは知っている。今現在でも具体的な問題や課題はないし、一般的な開発上の課題があるだけで順調だ」

 5月に第2回開催を迎える東京E-Prix。今年はダブルヘッダーとなってイベント規模も拡大されたほか、日本のヤマハも参戦マニュファクチャラーに加わるなど、その勢いは加速しており、そんななかでドッズCEOはさらなる開催継続へ向けた意志を示した。さらに2シーズン後にはブリヂストンも選手権のタイヤ供給を開始するなど、さらなる日本企業の参入が進む。東京大会の開催継続の方針に加えて、国内企業に広がるシリーズ参画の波に加勢するマニュファクチャラーやドライバーの参戦があるのかどうかも、注目していきたいところだ。

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