2025 SUPER FORMULAプレスカンファレンス 集合写真 2月10日、JRP日本レースプロモーションは都内にて『2025 SUPER FORMULAプレスカンファレンス』を開催、同会見の第二部として2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権を戦うドライバーが登壇するトークセッションの時間が設けられた。
第一部のカンファレンスでは、2025年のレースフォーマットの変更など新たな試みが発表されたスーパーフォーミュラだが、シーズン開幕を目前に控えるなか、2024年のドライバーズチャンピオンである坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、そしてオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)の4名がトークセッションに登壇した。
このトークセッションでは、『今シーズンの意気込みを漢字一文字で』書いた色紙をひとりずつ披露していくことに。一番手の坪井は、『再』と書かれた色紙を披露し、次のように語った。
「今年は連覇が掛かる年となりますので、再びチャンピオンを獲れるように、という意味で『再』としました」
また、昨年のような強さを再び見せるためにどんな走りを見せたいか意気込みを聞かれると、「昨年は富士でしか勝てていなかったので、他のサーキットでも力強いレースができるように頑張りたいと思います。特に、鈴鹿で一勝できるように頑張りたい」と、タイトル防衛に向けた決意を表した。
続いて、高星に順番が巡ると『爆』と書かれた色紙を披露。高星にとって、スーパーフォーミュラ参戦は2020年と2021年に代役参戦して以来となる。「大変なことはあると思いますが、スピードも結果も爆発させてインパクトある結果を残していけたらと思い、この漢字にしました」と語る。
一方で、スーパーGTではニッサンのドライバーという立場も背負いながらスーパーフォーミュラを戦うことへの思いについて聞かれると、「(スーパーGTは)今年から23号車へ移籍することになり、ニッサン応援団の方々にも期待されていると思います」としたうえで、「そのなかでニッサンの育成ドライバーがフォーミュラに参戦するというのはなかなかないので、僕が結果を残すことでニッサンのドライバーが(フォーミュラーカーに)乗れる道を作れたらと思います」と答えた。
昨年スーパーフォーミュラから引退した山本尚貴の後任として、今年からPONOS NAKAJIMA RACINGより参戦するフラガが選んだ漢字は『掴』だった。その理由について、フラガは「日本に来てからたくさんの素晴らしいチャンスをもらって、ここまで来られました。ただ、ここはスタート地点だと思っています。これから先につなげられるようにチャンスを掴んで、次げ進められたらいいなと思っています」と話す。
さらに、フラガは昨年12月に鈴鹿で開催されたルーキーテストのことにも触れ、「去年のルーキーテストでは、フォーミュラカーに乗るのは1年ぶりだったのですが、乗っていてすごく楽しかったです。やっぱりすごく速い。S字コーナーのなかを駆け抜けるあの瞬間はスーパーフォーミュラでしか体験できないことなので、楽しみつつ結果も残して頑張っていきたい」と語った。
最後に、高星のチームメイトとして今年からITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPULよりスーパーフォーミュラに参戦するラスムッセンは、直筆で『気』と書いた色紙を一堂に披露。通訳を通じて次のように話した。
「今シーズンは私にとって新しいチャレンジとなります。いろいろなことに立ち向かわなければいけないシーズンになると思いますので、そのために必要なのは『気持ちを安定させること』。安定した気持ちを持ってシーズンに挑むことが重要だと感じたので、『気』を選びました」
その後、漢字を全員発表し終えたところで、トークショーは質疑応答の時間に移ったが、その枠のなかで坪井に対し「2023年のスーパーフォーミュラ王者である宮田莉朋選手は今年もF2へ参戦しますが、坪井選手は海外選手権やF2へ参戦していきたいと思いますか?」という、海外シリーズ挑戦の意思についての質問が飛んだ。
それについて坪井は「今まではスーパーフォーミュラでまずチャンピオンを取らなきゃと思っていたので、あんまりそういう意識はなかった」としつつ、「ただ、昨年にチャンピオンを獲得できたことで、いままでとは違った景色が見えてきました」と答える。
さらに坪井は「スーパーフォーミュラは簡単にタイトルが獲れるカテゴリーではないし、今年は同じ舞台で戦うことが決まっていますので連覇を目指して頑張っていきたい。その先に海外へ挑むチャンスがあれば、掴みにいきたいなと思っています。そして、そのチャンスを掴むための準備として、スーパーフォーミュラ連覇と英語の勉強(※昨年のSFチャンピオン獲得後、豊田章男会長の「坪井はそろそろ英語の勉強を」というコメントを受けて)も必要になってくると思うので、そういった準備を今年はしっかりできたらと思います」と、思いを明らかにした。
昨年は坪井がチャンピオンを獲得して幕を閉じたスーパーフォーミュラだが、今季からは新レースフォーマットの導入や、新チームや新たな海外ドライバーも参戦する。2025年はサーキットでどんなドラマが見られるのか。シーズン開幕直前の公式テストは2月18〜19日に鈴鹿サーキットで行われ、注目のシリーズ開幕戦と第2戦は3月7〜9日、鈴鹿サーキットで幕開けとなる。