武藤嘉紀の先制弾を皮切りに神戸は4ゴール [写真]=Getty Images AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第7節が11日に行われ、ヴィッセル神戸(日本)と上海海港(中国)が対戦した。
神戸は今週末、3連覇を掲げる2025明治安田J1リーグの開幕戦に臨むが、開幕前に2試合の公式戦を戦うスケジュールとなっている。8日にはFUJIFILM SUPER CUPでサンフレッチェ広島に0−2で敗れたが、秋春制に移行したACLEでの戦いを制し、リーグ戦へ弾みをつけたい。
ここまで、神戸はACLEで6試合を消化し、4勝1分1敗の成績で勝ち点「13」を獲得。前節終了時点で3位につけるなか、今節はここまで2勝2分2敗の成績を残す上海海港をホームに迎える。神戸はFUJIFILM SUPER CUPでベンチスタートとした酒井高徳、武藤嘉紀、大迫勇也らをスターティングメンバーに並べ、盤石の布陣で2試合ぶりの白星を目論む。
試合は序盤の6分、神戸がビッグチャンスを構築。鍬先祐弥からのスルーパスで佐々木大樹が敵陣左サイドへ飛び出すと、突破は阻まれたものの、セカンドボールを回収した汰木康也がグラウンダーのボールを折り返す。マイナスの位置で待っていた武藤はジャストミートさせることができなかったが、ファーサイドに流れたボールを酒井が狙っており、切り返しから左足一閃。決まったかに思われたが、ここはクロスバーに嫌われた。
序盤のビッグチャンスこそ仕留め損なったが、神戸は早い時間帯のうちに先制に成功。敵陣左サイドで酒井からのサイドチェンジを受けた汰木が縦突破からクロスボールを送ると、相手DFの頭を超え、ファーサイドでフリーになった武藤へボールが渡る。武藤は落ち着いて右足で蹴り込み、神戸が均衡を破った。
勢いに乗る神戸は17分、またも左サイドのオープンスペースで長いボールを引き出した汰木が、今度は頭でボールを繋ぐと、引き取った佐々木が相手をかわして右足でミドルシュートを狙う。ここはGKイェン・ジュンリンに阻まれたが、こぼれ球を拾った大迫からの浮き球ボールに対して、飛び込んでいった佐々木が頭で叩き込む。追加点が生まれたかと思われたが、ここは大迫のポジションがオフサイドと判定され、ゴールは認められない。
結局、前半はこれ以上ゴールは生まれず、神戸の1点リードで終了。後半へ入ると54分、敵陣右サイドでルーズボールを収めた大迫が、鍬先とのパス交換からクリアボールを送ると、ここは跳ね返されたものの、セカンドボールを拾った武藤が中央突破を試みる。止められた後のボールを汰木が拾い、クロスボールを送ると、またもクリアされるも、こぼれ球を拾った本多勇喜が正確なボールをボックス内へ供給。前を向いた鍬先が放った豪快な一撃は、クロスバーに当たってゴールに吸い込まれる。鍬先の神戸加入後初ゴールで、神戸がリードを広げた。
この追加点の直後には、大迫のポストプレーから武藤が右サイドを突破。グラウンダーのアーリークロスを送ると、最後は汰木がダイレクトで沈め、怒涛の攻撃で勝利を決定付けた。
攻撃の手を緩めない神戸は75分、扇原貴宏の蹴った左コーナーキックをニアサイドで冨永虹七がヘッドで沈めたが、直前でファウルがあったと判定され、ゴールは認められない。77分にはボックス左から突破を試みた冨永が、相手のハンドを誘ってPKを獲得するが、大迫の蹴ったキックはGKイェン・ジュンリンにセーブされる。
“エース”の一撃が阻まれたことで、嫌な雰囲気も漂ったが、大迫はこのままでは終わらせない。81分、敵陣右サイドで獲得したフリーキックの場面、扇原が最終ライン裏のスペースへインスイングのボールを落とすと、走り込んだ大迫が右足でボレーシュートを沈める。PK失敗を帳消しにし、ゴールショーに参戦した。
試合はこのままタイムアップ。攻撃陣が爆発した神戸が、4ゴールを奪って快勝し、ホームで2025年の初白星を手にした。この結果、神戸は1試合を残してリーグステージ突破を決めている。
次節は18日に行われ、川崎Fはホームでセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)と、浦項は敵地でジョホール・ダルル・タクジム(シンガポール)と、それぞれ対戦する。
【スコア】
ヴィッセル神戸 4−0 上海海港
【得点者】
1−0 11分 武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)
2−0 54分 鍬先祐弥(ヴィッセル神戸)
3−0 56分 汰木康也(ヴィッセル神戸)
4−0 81分 大迫勇也(ヴィッセル神戸)