第6回大島渚賞 記念上映会PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が、2019年に創設した映画賞「大島渚賞」の第6回受賞者が、『ナミビアの砂漠』山中瑶子監督に決定。3月16日(日)に記念上映会が行われる。
山中監督は、19歳で初監督した『あみこ』がPFFアワード2017に入選した後、ベルリン国際映画祭をはじめ多数の海外映画祭で上映され、日本女性のイメージを覆すかのような斬新な主人公のキャラクターが注目を浴びた。
ニューヨークの映画祭で『あみこ』を鑑賞した、「大島渚賞」の初代審査員長、故・坂本龍一氏も当時からその才能を絶賛していた。
今回対象作品となった『ナミビアの砂漠』は、第77回カンヌ映画祭監督週間に出品され、女性監督として史上最年少となる国際映画批評家連盟賞を受賞した話題作。
また、日本でも優れた新人監督に送られる2024年度「新藤兼人賞 金賞」を受賞した。
本作に対し、審査員長を務める黒沢清監督からは「嵐のごとく怒り狂った果てに、彼女はふと正解をつかんだようだ」とのコメントも寄せられた。
受賞者決定に伴い、3月16日(日)には、東京・丸ビルホールで記念上映会を開催。毎年、受賞監督作品と共に大島渚監督作品を上映しているなか、今年は『ナミビアの砂漠』と、山中監督が大ファンでもある大島監督史上最大の問題作『愛のコリーダ』の上映が決定。
1976年、2024年にそれぞれカンヌ映画祭監督週間で初上映されたという共通点を持ち、自分に正直に生きる女性を描いた2作品の同時上映となる。
さらに当日は、山中瑶子監督(ビデオトーク)、審査員長の黒沢監督、そして『愛のコリーダ』主演の藤竜也のトークが予定されている。
上映作品
『愛のコリーダ』
1976年/カラー/108分 ※18歳未満の方はご覧いただけません。
全世界に大島渚の名前を不動のものとした問題作。軍靴の音が響き始める昭和11(1936)年に起きた殺人事件を基に、性と愛の極限を追う。プロデューサーにフランスのアナトール・ドーマン、日本の若松孝二が並び、世界規模の劇場公開を実現。
『ナミビアの砂漠』
2024年/カラー/137分
世の中も人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱えて毎日を生きる21歳のカナ。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのか? 圧巻のファーストシーンから終始目が離せない、日本映画に新しい風を吹き込む137分。
「第6回大島渚賞 記念上映会」は3月16日(日)14時〜開映(13時30分開場/19時45分頃終了予定)、丸ビルホール(丸ビル7階)にて開催。
(シネマカフェ編集部)