ペレスのレッドブル離脱により、F1主催者はメキシコファンの関心低下を懸念。一方で魅了的なショーを続けられると自信も

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2025年02月12日 18:30  AUTOSPORT web

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2024年F1第20戦メキシコシティGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
 F1メキシコシティGPは、2026年以降のF1カレンダーの枠を確保するにあたって苦戦を強いられており、メキシコ出身のスターであるセルジオ・ペレスの離脱を受けて、プロモーターらは深い懸念を表明している。

 レッドブルのドライバーだったペレスがグリッドからいなくなったことで、このイベントの長期的な存続が疑問視され、F1で最も活気があり情熱的なレースのひとつの将来に疑問が投げかけられている。メキシコシティGPは2015年にF1カレンダーに復帰して以来、毎年記録的な観客動員数を誇り、復活を遂げてきた。この成功の根底にあるのはペレスに対する国内の揺るぎない支持であり、彼の存在は熱狂的な国の観衆を活気づけた。

 昨年のレースの週末には、メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスに40万4958人ものファンが押し寄せたが、その多くは国民的英雄を応援するために集まっていた。しかし、レッドブルは困難なシーズンを経て2024年末にペレスと袂を分かつことを選択したため、イベント主催者は関心が大幅に低下することを懸念している。

 レースのプロモーションを手掛ける『CIE』社のCEOアレハンドロ・ソベロンは、ペレスがグリッドにいないことは大きな懸念材料だと認めた。

「主催者として、我々はセルジオ・ペレスがF1グリッドにいないことを非常に懸念している」と、ソベロンが述べたと『FormulaPassion.it』が報じた。

「しかし、我々は選手権との契約を延長する方法を見つけようとしている」

 ソベロンは近年の改善点を強調しながら、壮観なイベント自体がファンの熱狂を維持できると期待を抱き続けている。ペレスのF1での将来について疑問が浮上した昨年10月、ソベロンは「我々は現在、5年前よりもはるかに素晴らしいショーを観客に提供できる。ドライバー間の競争と我々のショーの鮮やかな色彩は、継続して観客の関心を引きつけるのに十分だと考えている」と語った。

 しかし、地元の英雄を失うことは大きな課題であることをソベロンは認めた。地元出身のスター選手の存在が、観客動員数やエンゲージメントを高めることは間違いない。一方でソベロンは、メキシコの観客は今後応援する新たなドライバーを見つけ続けるだろうと楽観視している。

「すべてはマーケティング次第だ。地元出身のアイドルがいる方が常によいが、そのような人物がいない場合でも、ファンは応援するヒーローを見つけると確信している」

■カレンダー上のスポットをめぐる戦い

 メキシコの契約満了のタイミングが、事態をさらに複雑にしている。イモラとラスベガスという他のふたつの主要会場も、2025年に契約が終了する。しかしラスベガスGPは、F1自体がこのイベントのプロモーターを務めており、地元当局はすでにエンターテインメントの都でのレースに10年間コミットする道を切り開いていることから、長期の延長契約を確保するものと広く予想されている。

 一方で、南アフリカやルワンダを含む他のいくつかの国も、F1カレンダーの枠を取得することを強く望んでいる。F1のグローバル化が進むにつれ、開催権をめぐる競争はかつてないほど激しくなっている。

 メキシコシティGPは、F1のラテンアメリカでの存在感の礎となってきた。しかし、今やその存続はペレス抜きでも繁栄できることを証明できるかどうかにかかっている。このイベントが絶大な集客力を維持できない場合、F1は開催枠を他の場所に移すことを検討するかもしれない。

 ソベロンのコメントは、レースの将来をめぐる不安を強調するものだが、同時に、熱狂的なメキシコのファンがこのレースを存続させることができるという信念も反映している。

 その楽観的な見通しが契約延長につながるかどうかはまだわからないが、ひとつはっきりしていることは、2025年はメキシコシティGPの歴史のなかで最も重要な年になるかもしれないということだ。

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