来週に迫った“サウジCナイト” 出走する日本馬と世界のライバルを紹介!

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2025年02月12日 21:00  netkeiba

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▲合田直弘が海外競馬の「今」を詳しく解説!(c)netkeiba
【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】

◆米国や欧州の強豪と激突

 総賞金2000万ドルという世界最高賞金競走のG1サウジC(d1800m)をメイン競走とした「サウジCナイト」の開催が、来週土曜日(22日)に迫っている。

 サラブレッド6重賞の見どころを、今週と来週の2回に分けてお届けしたい。

 まずは、3歳馬による総賞金150万ドルのG3サウジダービー(d1600m)から。

 昨年は、日本調教馬フォーエバーヤングが、ゴール寸前で北米からの遠征馬ブッケムダノをアタマ差交わして制したこの1戦。今年も日本馬の相手は、2頭が参戦していた米国勢になると見て良さそうだ。

 格的に上位なのが、西海岸の伯楽ボブ・バファートが送り込むゲタウェイカー(牡3、父カーリン)だ。キーンランド・セプテンバーにて70万ドルで仕入れられた同馬。2歳7月にデルマーでデビューすると、メイドン(d5F)、G3ベストパルS(d6F)を連勝。

 その後は、西海岸を舞台とした王道路線を4戦し、G1デルマーフューチュリティ(d7F)4着、G1アメリカンファラオS(d8.5F)2着、G1BCジュヴェナイル(d8.5F)4着、G2ロスアラミトスS(d8.5F)2着と、勝利は逃したものの、4戦すべてで掲示板入り。ケンタッキーダービーを狙うには少々物足りず、それならば、ここで「ひと稼ぎ」を目論んでの参戦になったと見ている。

 米国勢のもう1頭は、東海岸からやってきたサイクロンステート(牡3、父マッキンジー)だ。2歳7月にデビュー。初勝利をあげるのに5戦を要したが、11月3日にアケダクトのメイドン(d8F)を制すると、続くアケダクトの条件戦(d8F)も連勝。年が明けると、1月4日に同じくアケダクトで行われた、ケンタッキーダービーポイント指定競走のジェロームS(d8F)に駒を進め、ここも3.1/2馬身差で制した3連勝を飾った。目下のところは1600mが適距離で、そこを見込まれての参戦となっている。

 メイダンでUAE2000ギニートライアル(d1400m)、G3UAE2000ギニー(d1600m)を連勝しての参戦となるゴールデンヴェコマ(牡3、父ヴェコマ)、4か月半の休み明けだったG3UAE2000ギニーでは大敗を喫したものの、アルゼンチンでG1制覇の実績のあるジュスティーノ(牡3、父フルマスト)という、UAE勢2頭もマークが必要な馬たちだろう。

 続いて、総賞金200万ドルが設定されたG2リヤドダートスプリント(d1200m)。昨年に続く、このレース連覇を狙う日本のリメイク(牡6、父ラニ)に、言うまでもなく、大きな期待をかけたいところだ。

 相手は、ここも米国からの参戦となるストレートノーチェイサー(牡6、父スパイツスター)で間違いなさそうだ。昨年秋、サンタアニタのG2サンタアニタスプリントCS(d6F)を6.1/4馬身差で制して自身2度目の重賞制覇を果たすと、続いて出走したデルマーのG1BCスプリント(d6F)も制覇。一気にこの路線の頂点に立ち、エクリプス賞最優秀短距離牡馬のタイトルを獲得した。キングアブドゥルアジーズの路面への適性があるかどうかが課題だが、この馬が本来の力を発揮すると、難敵になる。

 ストレートノーチェイサー以外には目立った実績のある馬がおらず、ジャスパークローネ(牡6、父フロステッド)、ガビーズシスター(牝4、父アポロキングダム)、チカッパ(牡4、父リアルスティール)、イグナイター(牡7、父エスポワールシチー)らにも、高額賞金ゲットのチャンスがありそうだ。

 続いて、ここも総賞金200万ドルが設定されたG2・1351ターフスプリント(芝1351m)。欧州、米国、中東、日本の代表馬が顔を揃え、力量比較に頭を悩まされるメンバー構成となった。

 昨年に続くこのレース連覇を狙っての出走となるのが、英国調教馬のアナフ(牡6、父ムハーラー)だ。年明けにリングフィールドのLRカチーS(AW6F1y)を使われての参戦というのは、昨年と同じ臨戦態勢である(前年はカチーS2着、今年は同競走3着)。

 英国勢では、2歳秋のG1ミドルパークS(芝6F)2着を含めて、重賞入着4回の実績を誇るタスクフォース(牡4、父フランケル)、昨年秋にニューバリーのLRドバイデューティーフリーC(芝7F)を3馬身差で快勝した実績のあるウィットネススタンド(セン4、父エキスパートアイ)らも、争覇圏にいる馬たちだろう。

 米国からは、ケンタッキーダウンズのG1フランクリンシンプソンS(芝6.5F)を制した実績のあるハワードウォロウィッツ(牡4、父マニングス)が参戦する。デルマーのG1BCスプリント(芝5F)は9着に大敗したが、3コーナーで大きく外に振られる不利があり、自分の競馬が出来なかった。適距離に戻るここで本領を発揮すれば、チャンスのある馬だろう。

 中東からも、華やかな実績を持つ馬たちが参戦する。

 カタールのローカルG3バルザンC(芝1400m)勝ち馬ダークトゥルーパー(セン5、父ダークエンジェル)は、パリロンシャンのG3パン賞(1400m)3着の実績がある。

 バーレーンにおける芝1600m路線で5年にわたって最前線で戦い続け、昨年のこのレースでも3着に好走しているバイライン(セン8、父ムハーラー)、前走ローカルG1バーレーンマイル(芝1600m)を含めて、ここ2戦続けてバイラインを2着に退け優勝しているゴエモン(牡6、父ダークエンジェル)、さらに、前走のローカルG1アルワスミヤC(芝1200m)を含めて、今季ここまで3つの重賞を制しているアヴァゴージョー(セン7、父ドラゴンパルス)と、バーレーン勢も多彩だ。

 ここに加わる日本勢も層が厚い。距離1400mの重賞を3勝しているウインマーベル(牡6、父アイルハヴアナザー)、GIヴィクトリアマイル(芝1600m)勝ち馬で、G1BCマイル(芝8F)でも4着に好走したテンハッピーローズ(牝7、父エピファネイア)、GI阪神JF(芝1600m)を含めて3重賞を制しているアスコリピチェーノ(牝4、父ダイワメジャー)は、中東の水が合えば、いずれも優勝争いに絡んでおかしくない実力の持ち主だ。

 G2ネオムターフC(芝2100m)、G2レッドシーターフH(芝3000m)、G1サウジC(d1800m)の3競走は、来週のこのコラムで展望する。

(文=合田直弘)

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