初日はマルケス兄弟が1-2。上位7台が1分29台に突入し、ホンダ2台がトップ10入り/タイ公式テスト

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2025年02月13日 05:50  AUTOSPORT web

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マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGPタイ公式テスト 1日目
 2月12日、ロードレース世界選手権 MotoGPクラスのタイ公式テストがチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、1日目はマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が総合トップタイムを記録した。

 前回のマレーシア公式テストから約1週間が経ち、今度は開幕戦の舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットに移動し2日間の公式テストがスタートした。今回は現地時間10時から18時の間で午前と午後に分けて2度のプラクティス、そして合間の13時からとセッション終了後の18時からは各15分間のスタート練習時間も設けられた。

 計21名のライダーが参加しており、前回のテスト初日で転倒し負傷したラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)は、無事に手術を終えてタイ公式テストは初日から参加。また、同様に転倒を喫していたホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)の代役にはロレンツォ・サバドーリ、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)の代役は立てられていない。

 この日は終日好天に恵まれ気温35度、路面温度が45度まで上昇したドライコンディションとなった。午前のセッション1回目では、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が1分29秒649を記録してトップで終えた。続く午後のセッション2回目は、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がそのタイムを唯一上まることに成功し、1分29秒184の総合トップで終えている。

 初日は午後にかけて自己ベストを更新するライダーが多く、上位7台が1分29秒台をマーク。ロングランを遂行するライダーはやや少なく、セパンに続いて新アイテムの評価を継続して取り組んでいるライダーが多いように見受けられた。

 そんななか、総合3番手はフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)が続き、ドゥカティがトップ3を独占し好調な様子。2024年型のドゥカティ・スモセディチGPを駆るアレックス・マルケスとモルビデリは、前回のテストに続いて安定し好調だが、旧型マシンをより徹底的に磨き上げることに専念しているという。

 総合トップのマルク・マルケスと総合8番手のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は、今回のテストにエンジンテストを持ち越しており分担してテストプログラムを消化。2026年はエンジンの開発が凍結されるドゥカティは、今回のテストで2025年と2026年に使用するエンジンの仕様を決定するとのことで、チームマネージャーであるダビデ・タルドッツィ氏は「2024年型を使用する可能性がある」と示唆していたようだ。

 好調なドゥカティ勢は、ルーキーのフェルミン・アルデグエル(グレシーニ・レーシングMotoGP)も同様に好調さを示した。初日はトップから1.189秒差の自己ベストは1分30秒373をマーク。ルーキーではトップとなる総合14番手で終えている。

 トップ5で見てみると、総合4番手にはアプリリアのマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)の姿がある。王者マルティンが不在で少々厳しい状況に置かれているが、淡々とテストを遂行。開始時刻とともに一番乗りで走行を開始した彼は電子制御を中心に、エアロパッケージと特にリヤウィングのテストプログラムに取り組んでいたとのこと。代役のサバドーリは新しいエキゾーストシステムもテストしていたようだ。

 また同じくアプリリア勢は、復帰したフェルナンデスが快適さとフィーリングを向上させるために電子制御のセッティングを繰り返し、セットアップを煮詰めていたようだ。チームメイトの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は、積極的にロングランに取り組み総合15番手で終えた。

 総合5番手には、KTM勢のペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が続いた。セッション1回目は全体の2番手につけ、午前と午後で2回のロングランに取り組んでいたが、午後は転倒があったようだ。前回のテストから少々転倒が多いものの、安定して上位につけている。

 チームメイトのブラッド・ビンダーもこの日は転倒があったようだが、トップから0.857秒差の総合9番手とトップ10入り。同じく今年からKTMのワークスとなったレッドブルKTMテック3は、エネア・バスティアニーニとマーベリック・ビニャーレスが手分けして異なるシートユニットを試していたとのこと。

 バスティアニーニは改良型シート、ビニャーレスはKTM勢で唯一新しいシートユニットを装着していたようだ。また、ビニャーレスは「今までのマシンとは挙動が違い、戦闘力を発揮するには2〜3レースが必要になる」と語っており、今回のテストでも引き続きふたりはKTM RC16の適応をメインに取り組んでいる様子。

 総合6番手にはルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)、総合7番手にはヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)とホンダ勢2台がトップ10入り。マリーニは午前のセッション1で4番手につけており、序盤から1分29秒928をマークしている。セパン公式テストでは新パーツのテストに専念していたが、すでにそれらの作業を終えているようで、今回は開幕に向けてセッティングに集中しつつタイム出しに取り組んでいた。

 チームメイトのジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)はトップから0.744秒差の11番手だが、2024年度に比べてホンダRC213Vの進化を感じている様子。また、「まだ改善と準備を続ける必要もあるが、そのためのアイデアもいくつかある」と語っており、まだ開幕に向けてテスト2日目も含めて向上の余地は十分にありそうだ。

 ザルコは午後のセッション2回目で1分29秒台をマークし、トップとは0.777秒差。チームメイトでありルーキーのソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)は、ホンダ勢で唯一の新しいシートユニットを装着していたようだ。この日は計59周を完了し、トップから2.024秒差の総合20番手となった。

 同じく日本メーカーのヤマハ勢は、セパン公式テストから一転しジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハ)が総合10番手で唯一のトップ10入りとなった。チームメイトのミゲール・オリベイラはトラブルもあったようだが、ふたりでセットアップに集中。

 エアロパッケージの比較テストもしていたというミラーは「YZR-M1のフィーリングも良く、リヤグリップは予想していたほど問題じゃないよ」と前向きなコメントをしており、順調にマシンへの適応とテストが進んでいるようだ。

 モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのふたりは、アレックス・リンスが総合12番手、ファビオ・クアルタラロが総合13番手となった。前回のマレーシア公式テストでは3日間すべてトップ3入りしていたクアルタラロだが、今回は初日の路面状況も考慮してテストメニューに専念。現段階でマシンのパフォーマンスには満足しているようだが、2日目はグリップの改善に引き続き取り組むという。

 テスト2日目は、いよいよ開幕前最後の調整の場となるため各チーム、各ライダーにとって重要な1日となりそうだ。初日と同様に現地時間10時から18時(日本時間12時から20時)にテストが行われる。タイムアタックでどこまでタイムを縮めるライダーが現れるのか、気になるところだ。

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