今回は、じんさんが1月29日に投稿した「Worlders」を紹介する。
本楽曲は、2025年1月17日より全国の映画館で公開中のスマートフォン向けリズムゲーム『プロジェクトセカイ』の劇場版アニメ『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』のエンディング主題歌のボーカロイドVer.。じん氏の最新アルバム『BLUE BACK』にはBLUE BACK Ver.として収録。また、EDMシーンで、人気トラックメイカーのTeddyLoidがアレンジとミックスを担当しており、そのサウンドアプローチも見逃せない。
文/小町 碧音(こまち みお)
10代、20代を中心にプロセカが愛されているのは、少年少女と初音ミクをはじめとしたバーチャル・シンガーによる5つのユニットの紡ぐストーリーが、青春の心の機微を繊細に描いているからだ。一方で、青春を経験した大人もあの物語に触れることで、青い≒“初め”の瞬間へと立ち戻ることができる。
本楽曲でポップテイストなアニメMVに描かれているのは、劇場版限定で登場する初音ミクを思わせる小さな初音ミク。
日本人独自の感性をくすぐるカントリー調のサウンドを纏いながら、1番、2番、それぞれのモチーフで階段を駆け上がっていくようなストーリーが展開される。
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とりわけ、心を打たれたのは、次第に初音ミクのコーラスワークが盛り上がりを増していく先に現れる、シンプルでキャッチーなサビのフレーズ<「Do」「Re」「Meet」 を重ねて>。音楽を学ぶときに初めて教わる音階を象徴していると同時に、本楽曲はコードにおけるC(ド)から始まるCメジャースケールの楽曲でもある。
ここが、“初め”を強く意識させるポイントだ。これほどまでに無垢なサビが心に温かみをもたらすのは、未完成で未熟な頃が実はどんなときよりも美しいことを、これまでにじん氏がメロディで描いてきたことに尽きると感じる。上昇感のあるコード進行も心地よい。
さらに、初音ミクの名前にかかっている結びのフレーズ〈音に乗せて 笑いながら 歌う 未来の歌を〉は、小説・脚本も手掛ける彼の凄腕。熱を帯びたギターが、実にエモーショナルなサウンドを奏でる。
1番のサビのラストフレーズ<戸惑い気味に 笑いながら 今日も 歩き出した>で、胸の奥にじんわりと温もりが広がった。それは、映画のストーリーへの感動でもあり、「サマータイムレコード」「チルドレンレコード」など淡い青春を掘り起こす楽曲を生み出してきたじん氏の世界観への感動だった。この似ているふたつの要素が二重の感動を生み出したといえる。
記念すべき劇場版のエンディング主題歌に、ボーカロイドカルチャーで多くのティーンに影響を与え、プロセカの3周年アニバーサリーソング「NEO」も手がけた彼の楽曲を起用したことは、さすがとしか言いようがない。
一人では届けられなかったことが今叶う−−まさに本楽曲こそが、仲間もいてこそ進める、と感じさせてくれるプロセカの体現だ。
■information「The VOCALOID Collection」 公式サイト
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