<毎日映画コンクール贈呈式>◇13日◇東京・めぐろパーシモンホール
カルーセル麻紀(82)は「一月の声に歓びを刻め」(三島有紀子監督)で受賞した助演俳優賞を「位牌にする」と宣言した。また、この日、着用したドレスが30年前のオートクチュールだと明かし「82歳が半分、裸で出て、すみません」と声高らかに言い放ち、取材陣を笑わせた。
「一月の声に歓びを刻め」は、カルーセルにとって12年ぶりの映画出演作。劇中では、6歳の次女が性被害を受けて死んでしまった喪失感から性転換し、女性になったものの、長女から長年、受け入れられない父親を演じた。1973年(昭48)年に性適合出術を受けて、男性から女性になったカルーセルにとって、自らを地でいくような役どころだった。
毎日映画コンクールは、今回から男女優賞の区別を廃し、俳優賞は主演俳優賞、助演俳優賞とし、男女を問わずそれぞれ2人まで選ぶ形式に転換。女優に限定していた田中絹代賞も休止となった。カルーセルは「いつも客席で見ている、(檀上に)立てると思わなかった。長生きして良かった。ジェンダーレスで(の受賞)は、私が初めて。みんな頑張れると思う」と喜んだ。「(賞とは)今まで何の縁もなかった。妹が出てきたので『戒名も位牌もいらないから。この賞を位牌にしてくれ』と言ったら『もらえるの?』とゲラゲラ笑っていただけて良かった。おしっこ漏らしそう」と言い、笑った。
贈呈式には、同じく助演俳優賞受賞の池松壮亮(34)と、スポニチグランプリ新人賞を受賞した越山敬達(15)と手を〓(繋の車の下に凵)いで入場。池松には再三、エスコートされて笑みを浮かべ、贈呈式後の合同取材の際は、越山にエスコートされ「かわいいわね〜」と喜んだ。
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合同取材でも“絶口調”だった。「60何年やって、映画賞は初めて。こんな暗い映画、やるとは思わなかった。役に入る時、時間がかかった。監督もしゃべらない。鬼。1シーン1カット、すごく多い」などと撮影を振り返った。ドレスについては「今朝、起きてパックしたりメークして(贈呈式に)行くんだわと。30年前にオートクチュールで作った、見たことのないドレスがあって、初めてお披露目」と言い、満面の笑みを浮かべた。
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