エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン 2月13日、2025年WRC世界ラリー選手権の第2戦『ラリー・スウェーデン』のデイ1はスペシャルステージ1のみが行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークして総合首位に立った。TGR-WRTのレギュラードライバーである勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合6番手からラリーをスタートしている。
早くも第2戦を迎えた2025年WRC。伝統のモンテカルロに続く舞台は、景色一面が雪に覆われた北欧スウェーデンだ。シーズン唯一のフルスノーラリーとなるこの第2戦は、WRCに定着している冬季ラウンドのひとつ。ここでは特別に15インチのスタッドタイヤを使用し、圧雪路を高速で駆け抜けるハイスピードなステージが特徴となる。
サービスパークは北東部の街『ウーメオー』に位置しており、13日の午前中には近郊にてシェイクダウンが行われた。ここで各クルーは、今季より新たにコントロールタイヤとなったハンコックタイヤのフィーリングを確かめるべく走行を重ね、ヒョンデのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が幸先のいいトップタイムを刻んでいる。
こうして走行が始まったラリー・スウェーデンは、シェイクダウンから続けてセレモニアルスタートが行われたのち、19時よりデイ1のステージとしてSS1『ウーメオー・スプリント1』(5.16km)で開幕した。
太陽の沈んだウーメオーの気温は氷点下10度にまで冷え込んだなか、エントリー内のランキングトップであるエバンスからアタックを開始した。
雪壁がつねに脇を固める圧雪路が続くSS1は、ライトポッドを要するナイトステージとなり、各クルーはブレーキングにかなり注意を払いながらの走行となったようだ。
第1走者のエバンスは3分21秒6でベンチマークとなるタイムを刻み、以降はアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)、カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)とアタックを続けていくと、3人はエバンスと約1秒差までは迫るも上回ることができない。
さらに、その後のドライバーはそれ以上にギャップを空けられるかたちとなり、ここではエバンスが開幕ステージウインを飾ってまずはラリーの先頭に立った。
0.5秒差の2番手に続いたのはタナクとロバンペラの2台で、以降は首位と1.2秒差の4番手にフルモー、3.7秒差の5番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がつけるなど、TGR-WRTのワン・ツーに対して僅差でヒョンデの3台が続くトップ5となった。
一方、シェイクダウンでソフトな雪壁を飛ばすようなシーンも見られた勝田貴元は、首位と5.4秒差の6番手からのスタートとなり、明日以降は2、4、5番手に並ぶヒョンデの牙城を崩す走りが期待されている。
勝田の背後には、トヨタの若手育成チームとも言えるTGR-WRT2のサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が続き、そして残るエントラントのMスポーツ・フォードWRTの3台がトップ10を締めるかたちで位置づけた。
またサポートシリーズのWRC2については、地元勢のオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2)とポンタス・ティデマンド(シュコダ・ファビアRSラリー2)が好走を見せ、トップ争いを開始。そこにローペ・コルホネン(トヨタGRヤリス・ラリー2)が続く開幕となっている。
フルデイ初日となる大会2日目は、SS2からSS8までの全7本が実施予定。スペシャルステージの総走行距離は124.32km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は473.53kmだ。