ロバンペラが苦戦のハンコックタイヤは、「FRのように」運転すべし? 陣営内で分かれた明暗/WRCスウェーデン

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2025年02月15日 13:20  AUTOSPORT web

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カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第2戦ラリー・スウェーデン
 2月13〜16日に北欧スウェーデンで開催されている2025年WRC世界ラリー選手権の第2戦『ラリー・スウェーデン』。デイ2を終えた段階で、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンスと勝田貴元(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)がワン・ツー体制を築く好調を見せているが、一方の僚友カッレ・ロバンペラは25.5秒の遅れとなり苦戦している。

 この傾向は開幕戦『ラリー・モンテカルロ』でもみられていたもので、その理由としては今季より新たにコントロールタイヤとして独占供給が開始されたハンコックタイヤの特性が大きな理由として挙げられている。

 ラリー・モンテカルロの時点で、「自分のドライビングスタイルに合っていない」と公言していたロバンペラは、今回のラリーへ向けて、“前哨戦”としてフルスノーの『アークティック・ラップランド・ラリー』にも出場。ラリー1マシンでの走行を重ね、ハンコックタイヤの活用法を探っていた。

 その結果、今回のラリーには「これまでとは少し異なるセットアップ」で乗りこんだが、それもうまくは機能しなかったようだ。

 デイ2を終えたロバンペラは、「ベストなペースではないが、ラリーの前からも少し想像できていた」と感触を語る。

「今は、新しいタイヤの特性にあまり馴染めていない。僕たちが望むようなパフォーマンスを引き出せていないんだ」

「今回のレースには、これまでとは少し異なるセットアップで臨んでいる。新しいタイヤの働きを補正するようなものだ」

「ただ、それが今のところはうまく機能していない。午後は少し良くはなったのだが、まだまだ探っていく必要があるということだ」

 これまでロバンペラは、マシンを派手に振り回しながらも瞬発的なコントロールで姿勢を制御し、好タイムを刻んできた。ただこのスタイルでは、ハンコックタイヤのグリップがうまく引き出せない様子だ。

 タイヤと自身のドライビングスタイルのミスマッチに悩むロバンペラに対し、TGR-WRTのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、「このタイヤは以前のものよりも難しい」と前置きしつつ、その要因を言葉にした。

「チームメイトのエルフィン(・エバンス)やタカ(勝田貴元の愛称)は早いうちに適応できているようだが、カッレ(・ロバンペラ)は苦戦してしまっているね」

「私にとってこのタイヤの特性には、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)のような運転が求められると感じている」

「そして、このスタイルではアグレッシブに運転してはいけない。そうすればすぐにタイムをロスしてしまうからだ。なので忍耐強くなければならず、これまでのような“アタックモード”とは真逆の方向性を感じている」

「そしてそれが、今のカッレにとっての挑戦となっている。だが、カッレは幸いにもまだまだ若い。もう少し時間はかかるのかもしれないが、これからしっかりと適応していくと思うよ」

 トヨタ/GR陣営としては、エバンスや勝田の働きが功を奏しているため、マニュファクチャラーポイントを賭けた戦いにおいては現状で遅れを取っているわけではないが、2度の王者がくすぶっている点は早急に解決したいはず。

 最大のライバルであるヒョンデ・シェル・モービスWRTにも、ロバンペラと似たスタイルを武器とする“現王者”ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がおり、こちらも開幕戦『ラリー・モンテカルロ』から苦戦が続いていたが、デイ2午後にはステージウインも飾る活躍を見せた。

 総合順位でもロバンペラの1ポジション上の5番手につけた様子からは、徐々にペースを見出しつつあることは確かだ。開幕戦のターマック、第2戦はスノーと異なるコンディションのラリーが続いており、これからもその流れは続くが、はたしてロバンペラはハンコックタイヤの活用法を素早く見出すことができるだろうか。

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