Amazon Original映画『Broken Rage』場面写真(C)2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates. Amazonプライム会員向けの動画配信サービス「Prime Video」で14日より240以上の国や地域で配信開始となった、北野武監督・脚本、ビートたけし主演、Amazon MGMスタジオ製作のAmazon Original映画『Broken Rage(読み:ブロークンレイジ)』。日本を代表するコメディアンであり、世界的な映画監督としても知られる北野監督が手掛ける映画界の常識を打ち砕く意欲作だ。
【画像】公開されたメイキング写真(1枚ずつ) 「ビートたけし」として日本のお笑い界の頂点に立つ芸人でありながら、数々の国際映画祭で世界的評価の高い映画監督として知られる北野監督。キタノ映画の特徴のひとつは、“バイオレンス”と“笑い”が共存している点だが、北野監督は映画の中で笑いを生む極意は、「あえてリハーサルをしないことで、現場で起こる新鮮な笑いを取り入れること」だと明かしている。
1989年に『その男、凶暴につき』で映画監督デビューし、97年には『HANA-BI』でベネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞、2003年には『座頭市』で同銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。日本でも大ヒットした「アウトレイジ」シリーズをはじめとするキタノ映画の特徴は、暴力的で緊張感のあるシーンの中でもユーモアのある“笑い”がちりばめられていることだ。
北野監督は「お笑いでウケるネタは、一番に新鮮であること」。それが“笑い”のセオリーだと言う。映画の中で“笑い”を生むために、撮影現場でもそのセオリーを踏襲。通常の映画撮影ではリハーサルを繰り返してから本番撮影に臨むことが多いが、北野組ではあえて俳優に詳細な指示をせずいきなり本番の撮影が始まることもしばしば。
キタノ映画の最新作となる本作は、前半で「世界のキタノ」ならではの骨太のクライムアクションを描き、後半で前半と同じ物語をコメディタッチでセルフパロディするという実験的な構成になっているが、そんな本作の撮影でもリハーサルは行わずに本番撮影を敢行。基本的には一発撮りで、その瞬間にしか生まれない“間”や“空気感”を大切にした。
北野監督は「演じる役者も初めて聞くような感じでやってもらうと、本当に新鮮で面白い。誰でも知っているギャグだと、ちっとも新鮮みがなくてつまんない」と、映画の中の“笑い”を作る裏側を明かしている。
そんな北野組ならではの撮影方法が取られた本作には、1月に発表された「第82回ゴールデングローブ賞」で助演男優賞を『SHOGUN 将軍』(2024年)で受賞した浅野忠信や、5回目の北野監督作品に出演となる大森南朋ら俳優たちやお笑い芸人たちが体当たりの演技で挑んでいる。
「バイオレンスっていうのは感情を揺さぶるもの。漫才だってバイオレンス。お客さんが全然思ってないことをツッコむと笑ってしまう」と北野監督は語っている。
既存の映画の常識に捕らわれない型破りな演出と、予測不能なストーリー展開で構成された本作は、昨年、日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品された。「世界のキタノ」による“衝撃の60分”。作品の視聴には会員登録が必要(Amazon プライムについて詳しくはamazon.co.jp/prime へ)。
■ストーリー
主人公の“凄腕”殺し屋・ねずみ(演:ビートたけし)は、クライアントからの殺しの依頼を淡々とこなす日々を送っていた。しかし、警察に自身の犯行が暴かれついに逮捕されてしまったねずみは、釈放を条件に刑事・井上(演:浅野忠信)と福田(演:大森南朋)と手を組み、覆面捜査官として裏社会に潜入する。