ピットブースト初導入のフォーミュラE第3戦でギュンター勝利。ニッサンのローランドは第4戦優勝で選手権首位に

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2025年02月16日 18:00  AUTOSPORT web

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第4戦を制して選手権首位に立ったオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム) 
 2月14〜15日、2024/2025年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11の第3&4戦ジェッダE-Prixがサウジアラビアのジェッダ・コーニッシュ・サーキットにて開催され、第3戦ではマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)が、第4戦ではオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)が優勝を飾った。

 今大会の舞台となるジェッダ・コーニッシュ・サーキットはF1でも使用されており、フォーミュラEでは全長を3.001kmに縮めたショートレイアウトで使用される。さらに31周で競われる今回のレースでは、かねてよりアナウンスされていたピットブーストが第3戦で初導入された。

 まず、昼間に行われた第3戦の予選では、ギュンターとパスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)がファイナル進出を決め、1分14秒911のタイムを叩き出したギュンターがポールポジションを獲得。2番手ヴェアラインに続く3番手には、ニッサンのローランドがつける。

 続く決勝レースはナイトレース開催となり、スタートが切られるとギュンターがホールショットを決めて首位独走の態勢を築く。しかし、その後方集団でコーナーごとでマシンの接触やスピンが相次ぐなどの波乱が続き、7周目にはコース上にデブリがあるといったことからセーフティカーが導入されたが、9周目に解除されレース再開となった。

 レース中盤に入ると、ついに導入されたピットブーストのサイクルに入り、各車はピットへ向かって34秒間の急速充電を実施。上位を走っていたギュンターは17周目に、ローランドは18周目にピットブーストを行う。20周目には無事に全車がルーティン作業を終えた。

 その後レースは、ピット作業後に首位を取り戻したローランドがリードを築くも、先にピットインをしたギュンターが徐々に順位を取り戻し、終盤の26周目には2番手に浮上。30周目には、トップのローランドを射程圏内に捉えた。

 そして迎えた最終ラップには、テール・トゥ・ノーズの争いを繰り広げるローランドとギュンターに、テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)が加わって戦いは三つ巴に。

 防戦一方もどうにかポジションを保つローランドの逃げ切りが叶うかと思われたが、最終セクションでバッテリー残量がわずかに足りなかったか一瞬の失速を喫した。ギュンターはその隙を見逃さず、最終コーナーでローランドをすかさずパス。そのまま1位でチェッカーを受け逆転優勝を果たした。

悔しさをバネにローランドが第4戦を圧倒

 第3戦の翌日に開催された第4戦。予選ファイナルは、ニッサンのローランドとマクラーレンのバーナードによる一騎打ちとなり、バーナードがコンマ4秒の差をつけて見事にポールポジションを獲得し、シリーズ最年初のポールポジション記録も達成した。2番手のローランドに続く3番手は、ジェイク・ヒューズ(マセラティMSGレーシング)となった。

 第3戦と同じくナイトレースとなった第4戦決勝は、同じく31周でありながらもピットブーストは行われないフォーマットが採用。スタートが切られるとポールポジションのバーナードが鮮やかな蹴り出し先頭に立ち、逃げ切りの展開に持ち込む。その後方では、1コーナーでロケットスタートを決めたヒューズがローランドをパスして2番手に浮上した。

 12周目には、予選14番手からハイペースでポジションを上げてきていたロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)がアタックモードを活かし、バーナードとローランドをストレート上でまとめてオーバーテイクしトップに躍り出る。

 さらに14周目にはローランドもアタックモードで反撃し、首位を奪還。17周目ではバーナードも負けじと1番手のローランドをパスするも、19周目にローランドが1番手を取り返す。続く24周目では2度目のアタックモードを起動し、一度は隙を許したジェイク・デニス(アンドレッティ・フォーミュラE)からリードを取り戻すなど、ローランドの巧みな立ち回りでレースをリードした。

 ローランド独走状態のまま迎えた最終ラップでは、2番手争いが白熱し、バーナードとヒューズが一進一退の攻防を繰り広げた。首位ローランドは、後ろで激しく散る火花を尻目に、余裕をもってトップチェッカーを受け、2位はバーナードが勝ち獲っており、ヒューズは3位表彰台となっている。これで、今季2勝目を飾ったローランドがポイントランキング首位に立ち、2位のバーナードに対して17ポイントのリードを築いた。

 フォーミュラE“シーズン11”の次戦は4月12日、アメリカ・マイアミ州にあるホームステッド・マイアミ・スピードウェイにてマイアミE-Prixが開催される。NASCARやインディカーなど、北米のあらゆる主要レースシリーズの開催地としてお馴染みのトラックにて争われる第5戦の予選は日本時間で22時40分から、決勝レースは深夜3時5分より行われる予定だ。

■第3&4戦ジェッダE-Prixの順位結果
■2024/2025年フォーミュラE第3戦ジェッダE-Prix 順位結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap17M.ギュンターDSペンスキー43’35.339223O.ローランドニッサン・フォーミュラEチーム+0.86435T.バーナードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+1.153421N.デ・フリースマヒンドラ・レーシング+1.448555J.ヒューズマセラティMSGレーシング+9.814625J-E.ベルニュDSペンスキー+10.172748E.モルタラマヒンドラ・レーシング+11.31288S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+11.751913A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+12.332102S.バンドーンマセラティMSGレーシング+13.1411137N.キャシディジャガーTCSレーシング+14.6251216S.ブエミエンビジョン・レーシング+16.807134R.フラインスエンビジョン・レーシング+17.768143D.ベックマンクプラ・キロ+20.710151P.ヴェアラインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+32.5221622Z.マローニローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+42.7131717N.ナトニッサン・フォーミュラEチーム+49.0121833D.ティクトゥムクプラ・キロ+1'14.128199M.エバンスジャガーTCSレーシング+1Lap2011L.ディ・グラッシローラ・ヤマハABTフォーミュラEチームDSQ2127J.デニスアンドレッティ・フォーミュラEDNF2251N.ミューラーアンドレッティ・フォーミュラEDNF

■2024/2025年フォーミュラE第4戦ジェッダE-Prix 順位結果
Pos.No.DriverTeamTime/Gap123O.ローランドニッサン・フォーミュラEチーム42’45.21225T.バーナードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+5.844355J.ヒューズマセラティMSGレーシング+6.855427J.デニスアンドレッティ・フォーミュラE+7.214537N.キャシディジャガーTCSレーシング+7.48762S.バンドーンマセラティMSGレーシング+8.005725J-E.ベルニュDSペンスキー+8.40981P.ヴェアラインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+11.517933D.ティクトゥムクプラ・キロ+14.9101048E.モルタラマヒンドラ・レーシング+15.9641151N.ミューラーアンドレッティ・フォーミュラE+16.284128S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+17.1791321N.デ・フリースマヒンドラ・レーシング+20.788144R.フラインスエンビジョン・レーシング+21.1641517N.ナトニッサン・フォーミュラEチーム+21.5111611L.ディ・グラッシローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+22.961173D.ベックマンクプラ・キロ+31.0351822Z.マローニローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+1'14.5021916S.ブエミエンビジョン・レーシング+1'18.601209M.エバンスジャガーTCSレーシングDNF2113A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームDNF227M.ギュンターDSペンスキーDNF
※リザルトは編集部集計

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