『MGA LIVE in SEOUL 3人組バンド・Mrs. GREEN APPLEが、15日・16日に韓国で自身初となる単独公演『MGA LIVE in SEOUL, KOREA 2025』をソウルの高麗大学TIGER DOMEにて開催した。ミセスの公式訪韓は、映画『Mrs. GREEN APPLE // The White Lounge in CINEMA』の劇場公開を記念して昨年12月にCGV龍山アイパークモールにて行った舞台挨拶イベント以来、約2か月ぶり。本公演2日分のチケットはわずか5分で完売しており、韓国のJAM’S(=ファン)の期待感の高さを表すものと言える。
開演予定時刻の数時間前に会場の高麗大学TIGER DOMEに着くと、すでに多くのファンが集まりライブが始まるのを今か今かと待ち構えている姿が目に飛び込んできた。Mrs. GREEN APPLE、初の韓国単独公演である。現地のJAM’Sの熱気は、冬のソウルの寒さをも吹き飛ばしてしまいそうなほどだ。その熱気は開演が近づくにつれてさらに高まっていき、ついにやってきたライブのスタートとともにいきなりピークを迎えた。心臓の鼓動音が鳴り響き、ライトが眩く点滅すると、緑色の光に照らされて黒いスーツを身につけたメンバーが登場。客席からは悲鳴のような歓声が鳴り響いた。
大森元貴の「アンニョンハセヨ!Are you ready?」という言葉から始まった1曲目は「ANTENNA」。大森が突き上げる拳に合わせてオーディエンスのライトスティックが揺れる。若井滉斗のギター、藤澤涼架のキーボードにサポートメンバーを務める二家本亮介(Ba)、兼松衆(Key)、河村吉宏(Dr)によるサウンド、さらにオーディエンスの手拍子も力強く重なる鮮やかなオープニング。続いてライブ初披露となる「ビターバカンス」では背後のスクリーンに映し出されるカラフルな映像と軽快に転がるリズムにオーディエンスの高揚感もさらに高まっていく。
3曲目、ヘヴィなサウンドに光と映像の演出が合わさりすさまじいスケールで鳴り渡るなか若井によるギターソロも炸裂した「Loneliness」を終えると、「楽しんでますか、Mrs. GREEN APPLEです!」と大森が挨拶。もちろんその言葉にもオーディエンスは大歓声で応える。とにかく、どの曲でも客席からのリアクションがものすごい。1曲ごとに全力で手を叩き、元気いっぱいの歓声を上げ、歌い、手を振り、体を弾ませる……波打つように動く人波が、この日を待ち望んでいたJAM’Sたちの気持ちを代弁するようだ。大森と若井、ふたりのギターがせめぎ合う「藍」を経て、藤澤の弾くキーボードがリードする形で「君を知らない」が始まる。大森の歌は曲が進むごとに熱を帯び、その熱が伝播するようにバンドのサウンドはますますエモーショナルになっていった。
ここで一呼吸おいて、大森が「春愁」を歌い始めた。するとそこまでの盛り上がりを凌駕するほどの声が客席から上がる。じつはこの曲は韓国で絶大な人気を誇っていて、それだけにオーディエンスのリアクションも相当なもの。美しくも切ないメロディの大合唱が自然と湧き起こり、会場は美しい一体感に包まれる。さらにジャジーなムードの「Coffee」を届けると、ここでMCへ。3人とも韓国語でJAM’Sに語りかける。大森は「こうして韓国のみんなに会えて嬉しいです」と言いつつ「前回韓国に来た時、鼻にニキビができたんですが、無事治りました」と報告して笑いを誘い、藤澤も「涼ちゃんと呼んでください」という自己紹介から「昨日、念願のタッカンマリを食べました!好きなタッカンマリを韓国で食べることができてよかったです」と報告して大歓声を浴びる。そして韓国語が堪能な若井は「Mrs. GREEN APPLEのギターと末っ子担当の若井滉斗です。ついにこうして韓国JAM’Sに会えてすごく嬉しいです」と気持ちを伝えると、「みんな、どうですか?」とオーディエンスに問いかけ、「叫べ!」と煽り立てた。そして「最高の日にしよう!」という言葉を合図に、ライブはさらなる狂騒へと突き進んでいった。