『SDGsどない?TV』に出演する(左から)吉村崇、河本準一 (C)ORICON NewS inc. お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇がMCを務める22日午後8時から放送されるBSよしもとの特別番組『SDGsどない?TV』の収録がこのほど都内で行われた。収録後にはゲストの1人の次長課長の河本準一と一緒に取材に応対。番組で有り余った熱量そのままにトークを展開した。
【写真】河本準一ら芸人たちが大暴れした『SDGsどない?TV』のMCを務めた吉村崇
SDGsとは、気候変動や貧困・格差など世界が抱える問題を根本的に解決し、すべての人が住み続けられる地球を目指して定められた世界共通の目標。2015年に国連によって採択され、17種類の目標がある。番組には、古舘伊知郎が参加したほか、8年前にSDGsのPR動画に登場した野性爆弾のくっきー!、ナ酒渚、ガンバレルーヤが出演した。
吉村は「久しぶりに全力を出し切りました。やっぱりすごかった。何度か古舘さんと一緒にさせていただいた仕事があるんですけど、1個も手抜かない。あのレジェンドが全力で来ますから」と汗をぬぐう。番組の冒頭、古舘は立て板に水で滑らかにトーク。MCの吉村が逆に話題を振られるなど思わぬ展開となった。「本当にびっくりしました。大回ししてましたもんね(笑)。『報道ステーション』かと思いましたよ」と吉村は苦笑い。
河本も「後輩が大変な役目を背負ってるから、ちょっと手助けになればなと思ったんですけど…。より大変にさせてしまった(笑)。途中で気づきました」とくっきーと大はしゃぎしてしまったことをプチ反省。吉村は「諸先輩方が空中戦始めちゃった」と嘆くと、河本は「ブワッと浮いたのよ(笑)。あとはもう空中でやるしかない」と笑う。河本は「くっきーと2人でやりたかったのに、トーキング・ブルース(古舘)が入ってくるんですよ。とんでもないですよ」と収録を思い返していた。
河本は8年前のSDGsの動画に出演。それもあり、この番組に出演した。当時と1番変わったことを訪ねられると「それはお客さんですね、圧倒的に。8年前から僕は営業とかイベントでSDGsについてのことをやらしてもらっている。吉本興業は、お笑いとSDGsを融合させていろんなイベントしていたんです。最初のころ、本当は冗談でなく横浜でイベントをした時にSDGsという言葉を知っているのも数人ですし、おっさんが来て『セ・リーグの何かやるんかい』みたいなことを言われたんですよ。それから年数重ねていった。長野県は日本有数のSDGsの取り組みを行っている県なんですけど…」と熱っぽく語ったところで、吉村は「ちょっと待って。なんでそんなスゴい情報を本番で言わなんですか!」とツッコミが。河本は「それどころじゃなかったのよ(笑)。空間が歪んでたんだよ!俺のマジな部分が『あいつ、またマジを出しやがって』みたいになるから…。お笑いに飲まれてしまって…。時すでに遅しだったのよ」とプチ反省。
元の話題に戻った河本「そんな変化を、すごく感じられる状況です。少しずつですけど子どもがSDGsのクイズに全問正解したり、家族で考えられるようになっているので。日本はお笑いと融合できたことで、ちょっとだけでも貢献できてるんじゃないかなと実感しました」としみじみと口にした。同じ質問に吉村は「僕もバカはバカなりで、わかっていない部分があっても、とにかくSDGsに関心を持って声を大きくずっと言ってたんです。それが意外と浸透した。だから役に立ったんだなと思いました。8年前、全く言葉が分からない状況でも、とにかく大声でやったことが。お役に立ててよかったです」と稀有な経験を語った。
また、番組内でも笑いに絡めてSDGsについて古舘、河本、くっきーは激論。吉村は「途中、誰も俺なんか見てなかった…」と嘆くが「でも、それも面白かった」と納得。河本は「3人でトークの話題がSDGsでやってんだよ?それがすごいじゃん。ちょっとした言葉を拾って、結果SDGsにつなげていく。あれ、かなりすごい話術やで」とうなった。
番組には日本のSDGs研究の第一人者で慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史教授も参加。本来、専門家の意見は落ち着かせどころだが、蟹江教授もトークに乗っかり、大盛り上がりに。事前に蟹江教授から「実は私もちょっとふざけるタイプ」と河本は耳打ちされていたそう。吉村は「それは俺とフロアディレクターには言っといてください…」とボヤく。トークの大怪獣バトル状態となり、現場も混乱。モニターの1つはカンペが映し出されていたが、途中から何も映らなくなっていた。吉村は「あんなにカンペが真っ黒なの初めてです。『もういい。好きにやってくれる』状態で。数日前から時間を取って打ち合わせしたのに誰も何も打ち合わせ通りにやらない。収録後のインタビューで、こんなに話すの初めてなんです。よっぽどしゃべりたい欲求があったんでしょうね(笑)。気がついたらトークが盗られているんですよ」と苦笑いしながらも「トークを重ねて最後にSDGsにつなげる。こういう伝え方もあるんだなって思いました」と述懐する。
若年層への広がりも語られた。大学生ならではの新しい切り口のプレゼンに2人も驚いたそう。吉村は「これ、もったいないから何週かにした方がいいですよ!1回60分じゃもったいない!」と力説。取材では河本とは対照的に、吉村がお笑い全開のトークに。吉村は「ようやくしゃべれるんだから!開放された!」と両手を広げて喜ぶと、河本から「『ショーシャンクの空に』じゃないんだから」と笑っていた。
また、2030年というゴールまで残り5年。しかし、進捗率は16%に留まる。河本は「(吉村は)結婚して家族も増えた」と話題を振り、吉村は「そうですね。もし子どもが生まれた時はもうSDGsは当たり前の世界になる。たぶん言われなくても体現する世代になると思う。逆に僕らの世代がちゃんと口酸っぱく言われないとできない世代なんだろうなって。だから地球の環境に悪い最後の世代かもしれないですね」と話す。河本は「このお笑いとSDGsは続けていきたいですね。まだ日本国内でやっている。もうちょっと日本のSDGsのやり方を世界に発信できたら、もっと世界も注目するんじゃないですかね。お笑いは世界で、笑うのは人間にしかできないことですから」と期待。現在、アジアみます芸人として海外で活躍する芸人も出てきている。吉村は「それこそSDGsみたいですよね。芸人も再生可能にして…」と話し、河本も「作る責任と使う責任でね」と笑いながら話していた。