シューマッハー一家を脅迫した犯人に禁固刑が言い渡された スイスの裁判所は、7度のF1チャンピオン、ミハエル・シューマッハーの家族を脅迫した男に禁錮刑を言い渡し、共犯者2名には執行猶予付きの禁錮刑という判決を下した。53歳の男性(プライバシー保護のためフルネームは公表されていないが、裁判所の文書ではイルマズ・Tと記載されている)が、シューマッハー家に対し、1500万ユーロ(約23億9100万円)を支払わなければ、900枚の個人的な写真、約600本の動画、および機密の医療記録をダークウェブにアップロードすると脅迫した罪で裁かれることになった。
イルマズ・Tの息子である30代前半の男性は、恐喝ほう助の罪で執行猶予6カ月の判決を受けた。また、シューマッハー家の元警備員は、一貫して事件への関与を否定したが、2年の執行猶予つきの判決を言い渡された。
ドイツ南部コンスタンツのナイトクラブの用心棒であるイルマズ・Tとその息子は容疑の大半を認めており、イルマズ・Tは法廷で、自身の行為は「非常に忌まわしいものだ。私は刑務所に入って2日目にそのことに気づいた。私はそれについて責任を負う」と述べた。
彼は自白のなかで、警備員のマルクス・Fに「5桁の金額」を渡し、2台のハードディスクドライブを受け取ったと述べた。ハードディスクドライブのうち1台は回収されていないとみられている。
シューマッハー家の弁護士は、この判決に対して控訴する意向を表明した。彼は、この判決は「彼らの行為に対してあまりにも軽すぎる」とし、有罪判決を受けた3人の行為を「究極の裏切り」と呼んだ。
「我々は裁判所の言い分すべてに同意するわけではない。だからこそ、我々はあらゆる法的可能性を尽くすつもりだ」と弁護士は述べている。
シューマッハーの家族にとって大きな懸念は、犯人のコンピュータのハードディスクドライブのひとつがまだ見つかっていないという事実だ。彼らの法律顧問は「私は未来を見通せるわけではないが、新たな脅威が潜んでいる可能性はある」と付け加えた。
シューマッハーは、引退後の2013年12月にスキー中に事故に遭い、頭部に重傷を負った。それ以来、シューマッハーは療養生活を続けており、家族は繰り返し、プライバシーの尊重を呼び掛ける声明を出している。