古豪WSRのターキントンが電撃離脱を表明。困窮PMRからテイラー・スミスがトヨタ陣営に加入/BTCC

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2025年02月18日 07:20  AUTOSPORT web

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古豪ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のエースを務めてきたコリン・ターキントンが、2025年のシリーズには参戦しないことを確認
 イギリスのみならず欧州を代表する“プレミア”モータースポーツシリーズとして知られるBTCCイギリス・ツーリングカー選手権にて、ここまでチームBMWとして参戦する古豪ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のエースを務めてきたコリン・ターキントンが、2025年のシリーズには参戦しないことを確認。2002年のデビュー以降、WSRとともに歴代最多タイの“4冠”に輝くなど前例のない成功を収めてきた第一人者が、BTCCを去る決断を下した。

 北アイルランド出身のターキントンは、シリーズでの約20年間で500戦以上の出場と、通算72勝、192回の表彰台、そして31回のポールポジションを獲得。そんな大エースは自身のウェブサイトで声明を発表し「多くの人が待ち望んでいるニュースでないことは承知しているが、本日、2025年のBTCCには参戦しないことをお知らせする」と、その胸の内を綴った。

「これには単一の理由があるわけではなく、単にさまざまな要因と感情が組み合わさって、この決断を下した。今のところ、これで終わりなのかは分からないが、2002年に北アイルランド出身の若き10代の若者としてデビューして以来の素晴らしいキャリアを、大きな誇りを持って振り返りたいと思う」と記したターキントン。

「これ以上の犠牲を払ったり、これ以上努力したりすることは想像もできない。今の段階で後悔はまったくない。最高レベルのパフォーマンスと一貫性を維持し、これまで所属してきたチームで勝利を収めたことが僕の原動力であり、もっとも誇りに思う成功体験だ」

「現時点では、この決断が自分にとって正しいと感じていること以外、あまり言うことはないんだ。BTCCだけが与えてくれたであろう素晴らしい思い出や人生経験を振り返りたい」

「そしてBTCC、BMW、WSRに感謝している。つねに100%の力を発揮し、僕を信じてくれたすべてのメカニックとエンジニアに感謝したい。忠実なサポーター、素晴らしいスポンサー、そしてこの旅をともにしてくれたパートナーの皆にも感謝するよ」

「そして最後に、この感情のジェットコースターに僕と一緒に乗ってくれた家族にも感謝している。いつもクルマでパルクフェルメに戻り、父や母、妻のルイーズ、(子供たちである)ルイスやアダムの幸せそうな顔を見たことは、僕がもっとも大切にしている思い出であり、永遠に心に残るだろう」

■パワー・マックス・レーシングを襲う“不測の事態”

「BTCCは永遠に僕の中に印象を残す。そして今、僕は皆さんの多くと同じように、ふたたびこのシリーズの熱狂的なファンになるんだ。今のところはこれですべてだ。ディック(・ベネット代表)とWSRファミリー全員に、この新しいシーズンの幸運を祈っている。僕はよく息子たちにこう言っているんだ。『終わってしまったことを悲しむな、ただ起こったことに感謝しろ』とね」

 そんな電撃的ニュースの一方で、昨季2024年にアーロン-テイラー・スミスとマイキー・ドーブルの活躍により、インディペンデント部門のチームタイトルを獲得し、競争相手を圧倒したパワー・マックス・レーシング(PMR)は、タイトルスポンサーを務めていたペンドラゴン・マネジメント・サービスが5年契約の3年目に契約を終了するという不測の事態により、今季2025年の「グリッドに残れるよう取り組んでいる」と厳しい状況を明かした。

「PMRはこれを5年間のスポンサーシッププログラムと見込んでいたが、残念ながら3年目の終わりに終了した」と、チームはこれまでメインパートナーを務めてきたカーストアとエバンス・ハルショウ部門を傘下に持つ同組織との離別を公にした。

「PMRはこの5年間の計画に基づいてヴォクスホール・アストラBTCCの開発に継続的かつ多額の投資を行っており、シーズンごとに明らかに競争力が向上している。我々はこの状況に対する代替スポンサーと解決策を模索しているが、予期せぬ遅い決定は、短期的に適切なパートナーが見つからない場合、PMRがBTCCで競争を続ける能力に大きな脅威をもたらすだろう……」

 そんなPMR躍進の原動力となったテイラー・スミスは、メインスポンサーの撤退により不確実な将来に直面してから24時間も経たないうちにスピードワークス・モータースポーツ(SWM)への移籍を発表。トヨタ陣営の強豪チームとして『トヨタ・カローラGRスポーツ』を走らせるTOYOTA GAZOO Racing UKに加入し、自身初のファクトリー登録チームで戦う。

「TOYOTA GAZOO Racing UKのドライバーとしてここに立つことができ、信じられない気持ちだ」と新天地でシリーズ300回目のスタートを祝うことになったテイラー・スミス。

■TGRとの仕事は「逃すことのできないチャンス」

「英国モータースポーツ最大の舞台で、世界最大の自動車メーカーと仕事をすることは、逃すことのできないチャンスだった。そして、これは間違いなく僕のキャリアのなかでもっとも誇らしい日のひとつだよ」

 2011年にBTCCにデビューし、数年の休養を経て2021年にグリッドに復帰したアイルランド出身ドライバーは、これまででもっとも成功を収めた昨季2024年にチャンピオンシップで総合7位となり、インディペンデントのドライバーズタイトルを獲得した。

「クリスチャン(・ディック代表)とダニー(・バクストン/SWMのモータースポーツ責任者)に会ったとき、彼らが冬の間にカローラGRスポーツで本当に密度の濃い開発プログラムを実施してきたことは最初から明らかだった。カローラはすでにレースで勝利を収め、BTCCグリッドでもっとも競争力のあるパッケージのひとつなんだからね!」と続けたテイラー・スミス。

「彼らが僕に信頼を寄せてくれたことに、とても感謝している。このチームは非常にやる気に満ちており、業界でも最高のスタッフを抱え『本当の家族のような』雰囲気があるんだ。スピードワークスの長年の実績がそれを物語っているし、これまで見聞きしたことすべてに非常に感銘を受けた。このチームには成功の要素がすべて揃っているんだ」

 これで、ひと足先にレギュラードライバーに起用された、新進気鋭のローナン・ピアソンとペアを組むことが決まったテイラー・スミスだが、残る2台のシートは今後数週間のうちに発表される。

「過去2年間、メーカーが支援するクルマに勝とうとしてきたから、そのクルマのなかでシートに座っているのは非現実的な気分だが、それがさらにショーを披露する意欲を掻き立てる。僕はずっとBTCCの総合タイトルを争うチャンスだけを望んできた。TOYOTA GAZOO Racing UKと力を合わせることで、そのチャンスを掴むための完璧なプラットフォームと環境が得られるはずだ」

「クルマ、チーム、そして自分自身に絶対の自信を持っている。カローラでの最初のラップが待ち切れない。今シーズン、表彰台と勝利を目指して頑張れない理由など、どこにもないね!」

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