
【写真】高橋大輔も! 映画『蔵のある街』新場面写真
本作は、岡山県倉敷市を舞台に、地元高校生たちが花火の打ち上げに奔走する物語。山田洋次作品の多くで脚本、助監督を務めてきた倉敷市出身の平松恵美子が監督を務める。
昔ながらの街並みを残す岡山・倉敷に住む高校生の蒼、祈一、紅子は小学校からの幼なじみ。ある日蒼は、紅子の自閉症スペクトラム障害の兄・きょんくんが、神社の大木に登って大騒ぎを起こしていたところへ行き合わせる。きょんくんは幻の花火を見て騒いでいたのだ。蒼は「俺が本物の花火を打ち上げてやるから降りてこい!」と言って騒動をおさめた。しかし、紅子は感謝するどころか涙を流しながら怒る。「自閉症の兄だから、できもしない約束でごまかした。兄は約束を忘れないから、毎日傷つく」。蒼は、真実を突かれてショックを受ける。紅子に密かな思いを寄せていた蒼は、約束を守って花火を上げようとするが、どうしたらいいのかわからない。
実は紅子にとって「花火」は特別な意味があった。蒼が自分たちのために奮闘し始めた姿に、頑なになっていた紅子の心が次第に開かれていく。軽口が本気になり、本気が苦い挫折を生み出し、挫折の中で再び立ち上がる。そんな蒼たちの奔走が徐々に周囲の人々に伝わるが…。果たして、この街に花火は上がるのか?
生まれ育った「蔵のある街」に花火を打ち上げるため奔走する主人公の高校生・難波蒼を演じるのは、米アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した宮崎駿(「崎」は「たつさき」が正式表記)監督『君たちはどう生きるか』で主人公の眞人役に抜てきされて注目を浴び、映画やドラマへの出演が続く山時聡真。
蒼の幼なじみ・白神紅子を演じるのは、「松竹JAPAN GP GIRLS CONTEST Supported by BookLive」でグランプリを受賞、山下智彦監督作『鬼平犯科帳 血闘』、前田哲監督作『九十歳。何がめでたい』等のほか、現在放送中の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合ほか)にちどり役で出演、初々しくも確かな存在感を見せる中島瑠菜。
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この度本作の主題歌が、手嶌葵の歌う「風につつまれて」に決定。手嶌は2006年公開のスタジオジブリ映画『ゲド戦記』の挿入歌「テルーの唄」でデビュー、2011年にもスタジオジブリ映画『コクリコ坂から』の主題歌を担当するなど数々の主題歌やCMソングを手掛け、聴き手の心を揺さぶる歌声で国内外から高い評価を得ている。
「風につつまれて」は、もともとは高砂熱学工業株式会社のCM用に作られた楽曲だったが、同楽曲の作曲を担当し本映画の楽曲も手掛けた村松崇継が、いしわたり淳治が書いた詞を含めて『蔵のある街』にぴったりと重なることに驚き、映画の主題歌として使用することを提案。映画の世界観に高砂熱学工業側も賛同し、思いが思いを繋いでいくように、主題歌への起用が決定した。
平松監督は「村松崇継さんに『風につつまれて』を聴かせてもらった時の驚きは忘れられません。歌詞が『蔵のある街』のヒロインの心情に重なることは勿論、それ以上に、手嶌葵さんの歌声が、ヒロインの心の揺らめきのようで、ピュアで切なく、しかし確かな未来をつかみ取ろうという思いに溢れていたからです。大変な宝物にめぐり逢えた幸運を今は必然と思い感謝しています」とコメント。
併せて公開された場面写真2点は、蒼、紅子、祈一(櫻井健人)、きょんくん(堀家一希)の4人が並ぶ場面と、美術館学芸員の緑郎(高橋大輔)と喫茶店のマスター・仙太(前野朋哉)が、蒼や紅子たちを温かく見つめる場面。無謀だと笑われても、厳しい現実にくじけそうになっても、願いを実現させようとにひたむきに突き進む高校生たち。はたして彼らの「本気」は、大人たちを「本気」にさせるのか…?
映画『蔵のある街』は、2025年7月にMOVIX倉敷にて先行公開後、8月全国公開。
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