役所からの連絡で「母の死」を知った48歳女性。関係を絶って約10年…“傲慢な母”が迎えた壮絶な最期とは

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2025年02月19日 09:21  日刊SPA!

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小学生時代の池守りぜねさん(左)と母(右)。自身のnoteでも母との関係を記事としてまとめ、公開している
「親の面倒は子が見るもの」という価値観が、私たちを苦しめる――。求められる仕送り、消耗する介護に、心身の疲労が蓄積し、もう疲れたと自ら望んで家族関係をフェードアウトする人々が増加中だ。その切実な胸の内を聞いた。
◆役所からの連絡で知った母の死

たとえ生前は関係を絶っていても、家族の死後に連絡が来るのは“戸籍”で最も近しい人……。ライターの池守りぜねさん(48歳)は、約10年間関係を絶っていた母が役所の連絡で亡くなったと知り、対応に追われた。

「父とは7年前に協議離婚済みで、戸籍上の母の肉親は私だけ。病院から問い合わせがあり、駆けつけると本人でした。多臓器不全で出血が止まらない状態のくせに、『延命も高額治療も望まない』とサインしていた。人が救急車を呼んでくれたのに何度か拒否していたそうです」

◆遺品整理のために入った母の部屋は…

遺品整理のため母の部屋に入ったときのことは今でも忘れられないという。

「出血の痕を拭いたティッシュがそのままになっていたり、食べかけのカップラーメンが真っ黒になっていて、なんて最期なんだろうって思ってしまった。骨を受け取ったのも私でしたが、そもそも母の家系の墓の場所がわからず、顔もよく覚えていない親戚を頼って、見つけ出すのにも一苦労。場所が田舎で遠いこともあり、納骨以来一度も墓参りには行ってません」

死後も母に苦労をかけられたことに葛藤はあったものの、母と連絡を絶った自身の選択に後悔はないという。

「日本は戸籍がしっかりしているので、『もう会わない』と決めていた母なのに、最期は親族の私がすべて請け負った。やっぱり決定的な絶縁ってほぼ不可能なんだなと。でも、今の家族との関係がつらいなら、物理的な距離を取るほうがいい。その選択は絶対に間違っていないと思います」

◆整理を委託する場合、1K30万円から

池守さんのように、死亡したときだけ親族に戻らざるを得ないケースは多い。それでも故人の部屋に立ち入りたくない場合、遺品整理を業者に任せるという選択肢もある。後期高齢者を親に持つ40〜50代の女性を中心に、家族と縁を絶った依頼人の遺品整理を行う機会も多いという特殊清掃人・鈴木亮太氏に、費用の相場を聞いた。

「孤独死が絡むケースとして、1Kの賃貸物件を衛生的に回復させるのに少なくとも30万円前後は必要です。一戸建てだと広さや荷物量にもよりますが、100万円以上かかってしまうことも少なくありません。最近は、Webサイトの見栄えだけ良くて業務実態が伴わない業者もいるので、相見積もりはぜひ事前に取ってほしいところです」

◆業者にすべて任せることも可能だが…

鈴木氏は日頃、依頼人に「実家に立ち入るのも嫌だから」と住居近くの喫茶店で鍵だけ渡され、故人の部屋に立ち入って遺品整理を行うことも多いという。すべて業者に任せることも可能ではあるが、現場には「できれば立ち入ってもらいたいのが本音」と明かす。なぜならば依頼者自身が部屋に入らない場合も、ノータッチとはいかないことがあるからだ。

「遺品整理の最中に、故人のプライバシーに関する品、現金、権利書などが見つかることも多い。ほかにもチューナーやモデムといった要返却のレンタル品は誤って廃棄すると後で大変なことになる。その場合は、遺族の方への確認が必要となります」

家族の死に際して、いま一度モノと向き合って、思い出ごと処分してみてもいい。

取材・文/週刊SPA!編集部
※2月18日発売の週刊SPA!特集「[家族をもうやめた]人の肖像」より

―[[家族をもうやめた]人の肖像]―

このニュースに関するつぶやき

  • たとえ一体感のない家族であっても後始末からは逃げられないわけだ。自分の後始末もあるし…なんて考えると今すぐ死にたくなるぐらいめんどくさいなあ。
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