
「遅刻しない。セリフをきちんと身体に入れる。仕事仲間を大切にする」
それが朝ドラ初出演も控える俳優・瀧内公美(35)のモットーだ。
社会人としての基本
2024年夏に心機一転、個人事務所での活動を選択。今年は先に挙げた指針を、より自覚して活動していく1年になりそう。
「独立したばかりなので心境の変化を感じるのはまだ先のお話だとは思いますが、社会人として仕事をする上での基本は忘れないという気持ちは変わりません。私をサポートしてくれる方々を含め、身近な人たちを大切にすることも一層大事にしていきたいです」
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映画『彼女の人生は間違いじゃない』(2017年)、『火口のふたり』(2019年)、『由宇子の天秤』(2021年)と主演作が立て続けに評価され、数々の映画賞を手にしてきた実力派。昨年『光る君へ』で大河ドラマに初出演し、今年は朝ドラ初出演作『あんぱん』の放送が控える。2月21日には一人芝居映画『奇麗な、悪』が公開。
自問自答その繰り返し
着実に評価を得てきた分、ここ最近は周囲の期待の目も感じるようになった。「仕事に対する責任感とプレッシャーは年々大きくなっていく気がします。撮影現場に行けば、できて当たり前のように見られることもありますから」
キャリアは10年を超えて、年齢も30代後半に突入。ガムシャラな20代とは違い、冷静に自分の仕事を観察できるようにもなって来た。
「俳優業は一見華やかそうに見えて、実は地道な作業の連続。一人で根を詰めてセリフを覚えて、キャラクターの人となりを想像して、稽古、稽古の繰り返し。楽しい作品もあれば、苦悩を抱える作品も当然あるわけで。自分の感情と上手く折り合いを付けながら向き合うことも時には必要です。演技には正解がないからしんどくて悩むし、逆に正解だと思って演じるとありきたりな表現になってしまうから悩む。日々その繰り返しです」
『あんぱん』朝ドラ初出演
そんな葛藤を和らげてくれるのは、年下の俳優たちの存在だ。先輩として自分を慕ってくれると、襟を正されるような気持ちになるという。
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「この作品どう思いますか?この監督どう思いますか?…と後輩たちから相談されることが増えてきたのが私の中の大きな変化。先輩たちに甘えてばかりだった私が、今では年下の人たちから意見を聞かれる日が来るんだなぁ、と。頼ってくださることで、人として信用に足る接し方や姿勢を見せていきたいという自覚が生まれました」
朝ドラという新たな挑戦が待ち受ける2025年、その意気込みは?
「昨年大河ドラマに出演させていただいて、続けて朝ドラに出演させていただくという。単館系映画からコツコツとキャリアを重ねてきましたが、昨今幅が広がってきたように思います。国内外問わず活躍の場を広げながら、少しでもお芝居が上手くなるようにいけるところまでいってみたいと思います」
継続は力なり。それを体現している人だ。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)
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