1票の格差訴訟、名古屋高裁が「合憲」判断 2024年衆院選

0

2025年02月19日 14:09  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

「1票の格差」訴訟の判決で名古屋高裁に入る原告ら=名古屋市中区で2025年2月19日午後1時42分、荒木映美撮影

 選挙区間の「1票の格差」が最大2・06倍だった2024年10月の衆院選は、投票価値の平等を定める憲法に反しているとして、愛知、岐阜、三重の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決で、名古屋高裁(吉田彩裁判長)は19日、「合憲」と判断し、無効請求を棄却した。


 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした16件の訴訟のうち9件目の判決。仙台高裁秋田支部で同日あった判決を含め、これまでの8件でも全て合憲判断が言い渡されている。各地の判決が出そろい次第、最高裁で統一判断が示される見通し。


 24年衆院選は、人口比を選挙区の定数に反映しやすくする「アダムズ方式」に基づき、区割りを見直した初の選挙だった。小選挙区の「10増10減」が実現し、前回21年選挙(2・08倍)からわずかに格差が縮小。格差是正に向けた国会の対応への評価が焦点だった。


 16件の訴訟で初めて言い渡された広島高裁岡山支部判決(6日)は、アダムズ方式での区割り改定は合理的だとし、2倍を超えたのも自然な人口移動が原因だと分析。「区割りが投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたとは言えない」としていた。【道下寛子】



    ニュース設定