24年11月末に京都南座で舞台稽古中、舞台装置と接触し上顎、鼻骨骨折の重傷を負った片岡愛之助(52)が19日、3月の舞台復帰に向けて約3カ月ぶりに公の場に姿を見せた。
この日、東京・泉岳寺で、片岡仁左衛門(80)尾上松緑(50)とともに、「三月大歌舞伎」(同4〜27日、東京・歌舞伎座)で上演する「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」のため、墓参と法要を行った。泉岳寺には3人が演じる大星由良之助のモデルになった赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助が眠っている。
手術、リハビリをへて、3月興行が舞台復帰となる愛之助は、やや緊張の表情も見せつつ「大きな舞台で復帰させていただくこと、このように本当にありがたいことはございません。しっかり千秋楽までつとめたいと思います」と話し「大丈夫でございますので、安心して見に来てください」と呼びかけた。
叔父である仁左衛門は「去年の暮れはどうなることかと思いましたけれども、本当に早い回復で驚きましたし、ここまできれいに治った。前より良くなったんじゃないか? 本当に彼の精神力に頭が下がります」と愛之助を見やった。
松緑も「大けがと聞いてとても心配しました。どういう状態か分からなかったので、ご連絡をしばらく控えていたんですが、年が明けてから『心配かけてごめんね。大丈夫だよ』と連絡をもらいました。今日、久しぶりに会ってほっとしましたし、うれしかったです」と話した。
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休養中を振り返り、愛之助は「健康の大切さ、当たり前のように毎日舞台に立たせていただいていたことがこんなにありがたいことだったのかと、あらためて思わされました。なかなか晴れた空を見ても晴れた気分にはなりませんでしたが、目標があると頑張れると前向きに日々過ごしていました」と話した。妻で女優藤原紀香についても「(存在が)身に染みました。横にいてくれることで本当に心強かったです」と話した。
松緑、愛之助ともに、由良之助に初めて挑む。2人に期待するところを聞かれ、仁左衛門は「由良之助の心を、型でなく心でつとめてほしい。まあ、大丈夫です」と言い、松緑は「教われることをすべて教わって吸収したい」、愛之助も「由良之助は雲の上のお役でしたので、まさか自分だと思いました。しっかりと叔父を見習い、教えていただき、盗み、1カ月つとめたいと思います」と応じた。
歌舞伎座での「仮名手本忠臣蔵」の通し上演は13年12月以来。Aプロ、Bプロの2パターンの出演者で上演する。
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