『宝島』©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会真藤順丈の同名小説を実写映画化した『宝島』よりアザービジュアルが解禁された。
審査委員から満場一致で選ばれた第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞し栄えある三冠に輝いた真藤順丈の傑作小説「宝島」(講談社文庫)を原作とする本作。
大友啓史が監督を務め、主演に妻夫木聡、共演に広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら日本映画界を牽引する豪華俳優陣が集結。全てが失われ、混沌とした時代を全力で駆け抜けた“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで描く。
この度解禁されたビジュアルは4種類。米軍による営業許可証、通称「Aサイン」を掲げるバーが立ち並ぶ繁華街の雑踏、巨大なアメ車。全てをアメリカに支配されていた当時の沖縄のリアルな空気感が漂う中、激動と混沌の時代を懸命に生き抜く、“戦果アギヤー”の日常が映し出されている。
米軍基地から物資を奪い、戦果として困窮する住民らに分け与えていた若者たち。何も恐れず未来を信じ突き進む“戦果アギヤー”と呼ばれる彼らの勇ましい姿とともに、ビジュアルに添えられた「1952:WHEN OKINAWA WAS STILL UNDER US OCCUPATION.」というコピー。
戦後の過渡期を全力で生きたグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)そして、リーダーのオン(永山瑛太)ら全ての若者たちの魂の叫びが感じられる、観る者の胸に強烈なメッセージを突き刺すデザインとなっている。
映画化にあたり、「自分にできることの全てをこの作品に投げ打った」と語る大友監督。本作について、「戦争という悲劇は、その渦中のみではなく、それが終わった後の日常にも大きな影響を及ぼす。戦争を通して生まれた勝者と敗者という関係性は、その後の日々の暮らしの中にどんな爪痕を残していくのか。そして、その関係性は我々に何を与え、何を奪っていくのか。宝島は、沖縄を舞台にした物語ですが、決してあの時代の沖縄だけにと留まる物語ではない。いまだ世界中で起きている戦争や紛争の本質に真正面から踏み込んでいく、そんな普遍性を持った物語だと思います。スタッフキャストが心を一つにし、同じ願いを持って取り組んだ作品です」とコメントしている。
企画開始からおよそ6年。戦後80年となる今年の公開に向け、「アメリカに統治された沖縄で“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちが何を考え、何を感じ、何を大切にして生きていたのか。そこには混沌として今の時代を生きていく上で、本当に大事なものは何かをもう一度考えるヒントがある。映画というエンタテイメントの中で、日常の時間を忘れて、少しでもあの時代を追体験し、1人1人が心の中に何かを持ち帰っていただけたら」と思いを寄せた。
『宝島』は9月19日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)