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メンズノンノ専属モデルで、俳優業でもドラマ、映画に引っ張りだこの中川大輔(27)が、疾走音楽劇「きたやじオン・ザ・ロード〜いざ、出立!!篇〜」(3月1日から、東京・日本青年館ホール)で東海道中膝栗毛の“弥次喜多ワールド”に挑む。自身も「思い立ったが吉日」を座右の銘とする行動派。行き当たりばったりの珍道中は、いかにもはまる。【梅田恵子】
■「自分と重なる」
弥次さん、喜多さんが江戸から伊勢まで旅をする「東海道中膝栗毛」をベースに、義理人情の“世話もの”テイストを盛り込んだオリジナル。中川は、熱血で優しさもある旅役者、喜多八を演じる。
「少年漫画の主人公のような、明るくて猪突(ちょとつ)猛進のキャラクター。自分は穏やかなほうなのでだいぶ違うなと思いますが、ここじゃないどこかへ行きたい、もっともっといい役者になれるという思いは自分と重なります。『天下一の役者になる』という野心と自信に満ちたせりふもあって、自分なのか役なのか、不思議な感覚で言うせりふだなって」。
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ワケあって江戸を離れる弥次郎兵衛に誘われ、パッと旅に出る。「僕も『思い立ったが吉日』が座右の銘なので、すぐ行動する感覚は似ていますね。メンズノンノのオーディションを受けたのも、役者の道へ進んでみたのもそうだったので」。昨夏、思い立ってすぐ、東海道を歩いてみたのもこの人らしい。「7日間かけて歩きました。東海道って、本当にまっすぐなんですよ。一本道で伊勢まで行くんだなって。喜多八もこんなにわくわくしながら東海道を歩いたんだろうと思えて楽しかった」。
■好き勝手やって
東京・勝どきにある作者、十返舎一九の墓参りもしている。「こういう下町で書かれた作品で、江戸っ子のきっぷのいいお兄さんだったのかなって身近に感じられました。『先生が書かれた東海道中膝栗毛を舞台化して、喜多八役を演じる中川大輔と申します』とお伝えしたら、『好き勝手やってくれ』と言われたような気がしたので(笑い)、思い切り挑みます」。
200年以上愛されてきた作品の魅力を聞くと、「自由人に対するあこがれ」と答えた。「生きづらいというか、どんどん窮屈な時代になっていると思うんですけど、喜多さん、弥次さんを見ていると、もっと肩の力を抜いて、行き当たりばったりに生きてみてもいいんじゃないかと思える。江戸時代の人もそう感じたと思う。その感覚が、今のお客さまにも伝わればいいなと」。
■舞台作品3作目
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作品は、劇団☆新感線の舞台を制作するヴィレッヂの浅生博一氏が立ち上げた「浅まる企画」第1弾。2020東京パラリンピック開会式ディレクターを務めたウォーリー木下氏が演出を手がけ、歌あり踊りありの「疾走!音楽劇」となる。
「劇団☆新感線に自分も出られたらいいなという目標がある中で、新感線イズムが引き継がれているスペクタクルな作品性にわくわくしています」。舞台作品は3作目。歌と音楽に取り組むのは初めてとなる。「歌うのは好きですし、歌えるということは役者としてひとつ武器になるので、挑戦しがいがあります」。
■「一回り大きく」
慣れないこと、新しいことに挑戦し、カラを破っていく作業が大好き。「モデルを始めた時も最初は意味分かんなかったし(笑い)、初めて俳優に挑戦した時も難しいことばかりだったけど、『どうしたらいいんだろう』『まったくやり方が分からないぞ』って、頭がぷすぷすする経験は楽しい。それをまた、この舞台で味わっています。まったく違う自分をお見せすることで、役者として一回り大きくなれる気がして」。
本番前の緊張感も心地よさそうだ。「声をかけてくださった人の期待に応えたいし、見てくださる方に全力で元気をお届けしたい。ぜひ参加して、僕たちと一緒に旅してほしいです」。
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■弥次さん役で初共演の牧島輝「頼りになる兄貴」
弥次さん役を演じる牧島輝(29)とは初共演。「クールな方で頼りになる兄貴的存在。こっちの壁をこじ開けてくれるようなお芝居をするので、目を見て演じているとこみ上げてくるものがあったりします。出会って半年ですが、本当の幼なじみの空気感がある」と、バディ感に自信をみせている。
◆中川大輔(なかがわ・だいすけ)1998年(平10)1月5日、東京都生まれ。16年、大学1年でメンズノンノのオーディションでグランプリを受賞し芸能界入り。19年「仮面ライダーゼロワン」に出演し一躍人気者に。NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、日本テレビ系「コタツがない家」などドラマ出演多数。特技は絵を描くこと。184センチ、血液型B。
◆疾走!!音楽劇「きたやじオン・ザ・ロード〜いざ、出立!!篇〜」 「東海道中膝栗毛」をベースに、昭和の世話ものスピリッツを盛り込んだ書き下ろし。喜多八、弥次郎兵衛の珍道中を通し、浮世の義理、昔の縁、アバンチュールが展開していく。作シライケイタ、演出ウォーリー木下。出演は中川、牧島のほか、浅川梨奈、尾上寛之ら。東京公演は日本青年館ホールで3月1日から同16日まで。同21日から大阪公演。
俳優業6年、新たな領域へ
2019年に現事務所に所属し、俳優業に進出して6年になる。今やドラマ界の売れっ子で、この1月期もNHK「東京サラダボウル」、テレビ朝日系「フォレスト」の掛け持ちで存在感を見せ、出演した映画「大きな玉ねぎの下で」(草野翔吾監督)も公開された。
「売れっ子という自覚はまったくないんですけど(笑い)、ドラマ、映画、舞台、バラエティー番組と、いろんなお仕事をいいタイミングでやらせていただき、いろんな人に知ってもらえる機会が増えたことは本当にうれしい。そうやって、まったく違う自分をお見せできる機会が広がっていくと思うので」。
目指す俳優像というより「やったことのない経験をしたいというのが目標」という。「大河ドラマや朝ドラで、1年間以上同じ役に携わっていくってどういう感覚なんだろうとか。舞台でいえばミュージカルとか、まだやったことのないお芝居の領域をやってみたいという思いはすごくあります。映像では、まだ主演をやったことがないので、そこも目標のひとつです」。
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