拉致被害者家族連絡会(家族会)と面会し、横田拓也代表(左から3人目)らから運動方針を受け取る石破茂首相(同2人目)=20日午後、首相官邸 石破茂首相は20日、トランプ米大統領との先の首脳会談で、米朝首脳会談が実現すれば拉致問題を提起することで合意したと明らかにした。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の横田拓也代表らと首相官邸で面会し、説明した。
首相は面会で「米朝間の交渉という可能性がある。大統領にはその強い思いがあると拝察した」と述べ、トランプ氏が金正恩朝鮮労働党総書記との交渉に意欲を示していると紹介。「(米朝会談の)その際に必ずこの問題を提起することで合意した」と語った。
家族会側は「親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国を実現させること」などと明記した運動方針を提出。首相は「極めて切迫した思いを真摯(しんし)に受け止める。なんとしてもこの問題を解決するために、政府として力を尽くしていく」と応じた。
被害者家族では、有本恵子さんの父明弘さんが15日、96歳で死去。親世代で存命なのは横田めぐみさんの母早紀江さん(89)のみとなった。早紀江さんは首相に「日朝(首脳)会談をしていただくことが一番大事なことだ」と訴えた。