報道陣に公開された、東京電力福島第1原発2号機から採取された溶け落ちた核燃料(デブリ、容器中央)=20日午後、茨城県大洗町 東京電力福島第1原発2号機から取り出された、溶け落ちた核燃料(デブリ)の分析を進めている日本原子力研究開発機構(JAEA)は20日、茨城県大洗町の研究所で、デブリと分析施設を報道陣に公開した。
公開されたデブリは0.1グラムほどの重さ。放射性物質を遮蔽(しゃへい)できる部屋の中で、円形容器に入れられており、肉眼でようやく確認できる大きさだった。
昨年9月開始の試験的取り出しで、同11月に採取されたデブリは縦約9ミリ、横約7ミリで、重さは0.693グラムあった。
JAEAは電子顕微鏡などで表面にある元素を調べ、デブリを複数片に切断。結晶構造などを詳しく調べるために大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)を含む4カ所の研究施設に分配している。
各施設で半年から1年程度かけて詳細に分析を進め、本格的な取り出しに向けた研究に役立てる。
東電は2回目の試験的取り出し作業について、早ければ3月ごろ着手する方針としている。