映画『BAUS 映画から船出した映画館』(3月21日公開) (C)本田プロモーションBAUS/boid 東京・吉祥寺で営業していた映画館の歴史をひも解く映画『BAUS 映画から船出した映画館』が3月21日より公開される。本予告、本ビジュアル、場面写真8点が解禁となった。
【動画】映画『BAUS 映画から船出した映画館』本予告映像 映画上映に留まらず、演劇、音楽、落語……「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、多くの観客と作り手に愛されながら30年の歴史を築いた吉祥寺バウスシアター。閉館から遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館”井の頭会館”がつくられ、1951年にはバウスシアターの前身となる”ムサシノ映画劇場”が誕生。本作では、時流に翻ろうされながらも劇場を守り続け、娯楽を届けた人々の長い道のりを描く。
本作は、2022年3月に亡くなった映画監督の青山真治さんが温めていた脚本を、甫木元空が引き継ぎ執筆し、監督を務めた。劇中の音楽を大友良英が担当。映画の未来へ情熱を燃やすサネオ役で俳優の染谷将太が主演、兄のハジメ役をロックバンド・銀杏BOYZの峯田和伸、サネオの妻・ハマ役を夏帆が演じる。
1927年。活動写真に魅了され、青森から上京したサネオとハジメは、ひょんなことから吉祥寺初の映画館“井の頭会館”で働き始める。兄・ハジメは活弁士、弟・サネオは社長として奮闘。劇場のさらなる発展を目指す二人だったが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた――。
吉祥寺バウスシアター創設者となった本田拓夫氏をモデルにしたタクオ役に鈴木慶一。早くしてこの世を去ってしまったタクオの娘・ハナエ役を橋本愛、サネオやハジメが通うおでん屋台の大将役を光石研、ハマの母で、井の頭会館を一緒に切り盛りするタネ役をとよた真帆が演じる。
本ビジュアルは、主人公・サネオ(染谷)、兄・ハジメ(峯田)、サネオの妻・ハマ(夏帆)が吉祥寺初の映画館”井の頭会館”を背景に静かに佇む写真を使用。「未来も過去も、居場所はいつもここにある」というコピーが長い歴史を感じさせ、文化の交差点を生み出し、守り続けてきた家族の姿が印象的なビジュアルとなっている。
本予告映像は、故郷・青森から上京したサネオとハジメがたどり着いた井の頭会館で、ハジメが慣れない活弁を披露する様子から始まる。映画の上映形態が活弁からトーキーへと移り変わるなかで、映画館で”イントナルモーリ”なる奇妙な楽器の演奏会を開催したり、果物屋を行う兄弟。その姿勢には「おもしろいことはなんでもやる」という吉祥寺バウスシアターの起源が詰まっている。
そしてサネオが突然社長に任命される頃、吉祥寺にも迫る戦火。ハジメは「お国のために働いてきますよ」と去っていき……。戦前から戦後にかけて、何があっても常に「あした」を追い求め、娯楽を届け続けた家族の姿が…。後半では、ムサシノ映画劇場開館のスピーチをするサネオの清々しい表情をはじめ、人々の”映画館”への希望や想いが詰まった内容になっている。兄弟が夢を見続けた「あした」、それが指し示す希望に満ちた未来が本作でどのように描かれるのか、そして大友が手がけた音楽の数々に期待が高まる。
場面写真は、井の頭会館前で客寄せをしているサネオや国民服に身を包んだハジメ、ムサシノ映画劇場の受付で電話をとるハマ、その他にも映画館という唯一無二の場所を守り続けた人々の日常を切り取った8点が公開された。
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