20代ギフテッド夫婦の“円満の秘訣”が独特すぎる!「会話にSlackを使う」「夫婦の間に安保理事会制度」

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2025年02月22日 09:00  女子SPA!

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 こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。

 近年よく耳にする「ギフテッド」という言葉。ギフテッドとは一般的に、同世代と比べて知的能力が高かったり、特定分野に際立った才能を持っていたり、ギフテッドによく見られる特性を持つ子どものこと。

 ギフテッド特性を持つ人は、常識とは異なるルールや価値観を持っていることも多いといいます。今回お話を伺った当事者であるMaiさん(29歳)とNaoyaさん(28歳)夫婦は、2018年に結婚をしました。

 現在Maiさんは、ギフテッド特性のある子のためのフリースクール・個別指導塾「Lagoon」を運営し、Naoyaさんは南アフリカのケープタウン大学で博士課程中という、遠距離夫婦です。馴れ初めや夫婦の間の決まりごとを聞くと、2人ならではの面白いルールも?

 4本目となる本記事では、そんなちょっぴり個性的な夫婦関係を伺いました。

◆2人の出会いと若くして結婚を決めた理由

 MaiさんとNaoyaさんは2018年に結婚をしましたが、当時Maiさんは23歳、Naoyaさんは22歳と、若くしての結婚でした。

 早期に結婚を決めた理由は、2人の決断力や論理的な思考が関係しているようです。

Maiさん「Naoyaと出会ったキッカケは、大学3年次にある企業のサマーインターンシップで、同じグループになったことでした。その時はLINEを交換しただけでしたが、お互いに就職が決まり、半年くらいしてからNaoyaから『移動中で暇だから』って理由でLINEをもらい、そこから親しくなって、ご飯に行くような関係になりました」

Naoyaさん「結婚にいたった理由ですが、僕の場合は、正直言ってそんな大きな決断とは思ってないんです。僕たちはお互いすでに経済的に自立もしていた時期でした。僕は結婚にメリットを感じていなかったけど、大きなデメリットも感じていませんでした。結婚の話が出たのは21歳頃だったので、数年後に離婚しても、やり直しが効く年齢だったのも大きいですね」

Maiさん「私はもともと、次に付き合う人は結婚を考えられる人がいいと思っていました。なぜ結婚したかったのかというと、特性として感情の起伏があるので、明日別れるかもしれないパートナーと一緒にいるよりも、家族として社会的な結びつきがあったほうが、自分が安心できるかなとの考えからです。

また周りでは、10歳くらい年上のご夫婦で、不妊治療に悩んだり、不仲といった話題を耳にすることがありました。それなら、早く結婚したほうが価値観のすり合わせもできるだろうし、5年たって離婚しても27歳とかなので、とりあえず結婚するのが良いかな、という判断に至りました」

 一般的には、新社会人になりたての年齢は、まず仕事や社会的なスキル習得に時間を割くことを考える人が多いです。ただ2人の理由を聞くと、確かに早くに結婚することの合理性も感じます。

 Naoyaさんは過去の記事(1本目リンク)でも、幼少期から論理的な思考や合理性を重んじる特性があると語っていましたが、結婚についても、合理的な視点で決断したということでしょう。

◆「さしすせそ」を言わない女性だから良い!

 結婚の決断は「合理性」を考えたものとはいえ、それ以前にまず、お互いに惹かれあう部分があったはず。Naoyaさんに聞いてみると、これまた一貫性を感じる素敵な回答を教えてくれました。

Naoyaさん「Maiは『さすが』『知らなかった』『すごい』『センスある』『そうなんだ』みたいな、異性をただ褒める「さしすせそ」を言わないのが、好きになったポイントの一つです。僕はこういった中身のない言葉を使われると、逆にバカにされているように感じてしまうんです。似たような理由で、相づちを打つだけで聞き役をしている、みたいな会話も苦手です。

人とは言葉のやり取りを持ってコミュニケーションを取りたいし、もっと言えば、感情の共有よりも、情報の共有といった、論理的な話がやっぱりしたいんです。Maiは論理的な話にちゃんと論理的に返してくれるので、心地よいなと感じます」

Maiさん「普段意識していなかったのですが、確かにNaoyaとは、ロジックに寄った会話が多いですね。でも、私は逆に、感情に寄り添ってもらいたい部分があるので、『さしすせそ』などの情緒的な声がけはして欲しいタイプなんです。そこで我が家では、『感情に寄り添う声掛け』を意識して言ってもらう仕組みを作っていた時期があります。

我が家では、結婚当初からコミュニケーションはLINEではなくSlackを使用しています。理由はPCからアクセスしやすいなどいろいろとありますが、結婚当初から話題によってチャンネルを変えて使っています。日常会話は#general(Slack参加者全員が見れるチャット)で行い、『旅行」』とか『買い物』とか、話題によってチャンネルを別途作るんです。

そこに『ラブチャンネル』といったものがあり、ここではお互いに情緒的なコミュニケーションをする場所として使っていました。あとは私がお花が好きなので、お花を贈ってもらえるように、ちゃんと頼んで仕組み化してもらっています。最近だと、いい夫婦の日(11月22日)に、お花をもらいました!」

Naoyaさん「こういうMaiのお願いに対して、頑張って応えているかといったら多少は努力していると思います。でも許容できる範囲でやってる感じです。それに数千円のお花を贈って機嫌がよくなるなら、経済的かなって思ってます」

 他にも独自のエピソードは続きます。例えば、2人の結婚指輪は3Dプリンターで印刷した一つ5000円のものなのだそう。Naoyaさんいわく「結婚指輪はなくても成立するものだから」というのが理由だそうで、らしさが光ります。

◆喧嘩なしの秘訣は徹底したルール化にあり?

 ギフテッド夫婦とはいえ、聞けば聞くほど、2人の特性や性格は違うなと感じます。現在2人は、日本と南アフリカで遠距離結婚中ですが、一般的に夫婦が単身赴任などで離れて生活するとなると、コミュニケーションの齟齬が起きることも多そうです。2人の場合、喧嘩やすれ違いなどは、大丈夫なのでしょうか?

Maiさん「私は正直、一緒に住んで居たときはNaoyaが家事の7割くらいをやってくれていたので、今離れて暮らすことでその点は困っています。もちろん気持ち的な寂しさはありますが、毎日のようにZoomで話すことでコミュニケーション量は特に減ってはいないので、そこまで問題はないかなと思っています。

喧嘩に関しては、私たちはしたことがないんです。普段からこだわるポイントが違いすぎるので、意見の食い違いが起きません。ただ、私が勝手に何かに怒っているときがあるので、そんなときはNaoyaに聞き役になってもらいます。もちろん、そのままぶつけると解決策が出てくるので、『今は相槌と共感が欲しい』って前もって伝えてから聞いてもらっています。

Naoyaさん「意見が食い違って喧嘩になるときって、お互いの軸が違うときだと思うんです。僕らにはそういう軸のズレがないし、揃えるように意識しているので、喧嘩は起きにくいんだと思います。例えば自動車を買うってなったら、金額など経済的合理性という軸や、見栄とかの軸もあります。この軸がお互いズレた状態で主張をすると、喧嘩は起きやすくなります。だから意見の食い違いが起きた際は、まず軸を揃えることを意識するので、喧嘩には発展しないんです」

Maiさん「あと喧嘩に発展しないために、我が家には『安全保障理事会制度(以下、安保理事会)』があります」

Naoyaさん「安保理事会って、常任理事国の1つが拒否したら成立しないルールですよね。我が家も片方が強く拒否したら、それは成立しないと決めています。拒否することもある種ルール化して、こじれることを回避している感じですね」

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「なんとも合理的な……」そんな言葉が何度も出た夫婦トーク。ちなみに法案はMaiさんが出すことが多く、Naoyaさんはほぼ拒否しないそうです。

 また、例えば遠くのご飯屋さんに行きたいなど、説明したらNaoyaさんが嫌がりそうな場合は、有無をいわさずMaiさんが連れて行くという強行パターンも……。どんな合理性も、最終的にパッションには叶わないということを、なんだか感じるのでした。

【Mai】
ギフテッド特性のある子のためのフリースクール・個別指導塾「Lagoon」代表。自身もギフテッド特性を持ち、幼少期には不登校を経験。SNSでは当事者のリアルや役立つ情報を発信し、総フォロワー数は1.8万人。JAPAN MENSA会員。YouTube:@MAI_gifted

【Naoya】
ケープタウン大学博士課程在学中。野生動物の動作解析をロボット制御に応用する研究を行う傍ら、フリーランスとしてIT企業の技術開発、コンサルティングに従事。2018年度に経済産業省の未踏IT人材発掘・育成事業に採択、スーパークリエータ認定を受ける。

<取材・文/おおしまりえ>

【おおしまりえ】
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518

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  • 家庭生活に限らず意見の相違は、価値観や感覚の相違以前にそもそも軸がズレている事が多い。価値観や感覚は歩み寄りが困難でも、軸を揃えることなら出来る
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