『伊丹十三 4K 映画祭』映画『お葬式』上映記念登壇イベントに登壇した宮本信子 (C)ORICON NewS inc. 俳優の宮本信子(79)、塚原あゆ子監督が22日、都内で行われた『伊丹十三 4K 映画祭』映画『お葬式』上映記念登壇イベントに登壇した。
【全身ショット】満面の笑みで…ともに手を高く上げる宮本信子&塚原あゆ子 1997年に64歳で亡くなった伊丹十三監督の10作品を4K化し、10週連続でロードショーするイベント。『お葬式』(1984年)は、山崎努(※崎=たつざき)、宮本信子、菅井きんさん、大滝秀治さん、財津一郎さんらが出演。義父の葬式を体験する主人公を中心に、通夜から火葬まで3日間の出来事を様々なエピソードを盛り込んで描くヒューマン・コメディ。伊丹十三は、この監督デビュー作でその年の映画賞を席捲した。俳優夫婦の侘助(山崎)と妻・千鶴子(宮本)の元に、伊豆に住む千鶴子の父親(奥村公延)がなくなったと知らせが入る。千鶴子の母・きく江(菅井)を喪主に通夜の準備を始めるが、葬式を執り行うのは初めてである侘助にとって、戸惑うことばかりで…。
伊丹監督の妻である宮本信子は、伊丹作品の多数で主演した。宮本は「本日は、本当にたくさんの方のお客様に劇場にお越しくださいまして、ありがとうございます」と目がうるうるに。「来る車の中で『チケット完売』とニュースが入って。伊丹さんが、どれぐらい喜んでいるか…。そんなことを考えながら来ました。40年も昔の映画がスクリーンで上映される。こんなにうれしいことはありません。本当にありがとうございます」と感涙していた。
撮影時のエピソードも。撮影現場での伊丹監督は楽しんでいたそう。宮本は「イラストとか、エッセイとか、いろんなことをやってきて、やっと自分で『これだ、というものを見つけたんだよ。こんなに楽しいことはないよ』と。だから好きなお酒もやめまして、一滴も飲まなかった。タバコも当時は吸っていたんですけど、それもやめて。『ご飯を食べると頭がにぶる』とか言って、ご飯もあんまり食べなかったんですけどね(笑)。でも、本当にうれしそうな顔でした。10本ありますけど、この作品の伊丹さんの顔が1番にこにこです」と裏話を披露。
また、TBS系ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で演出を受けた塚原監督は「いつでも話ができる。コミュニケーションって大事で。それができて幸せでした」とにっこり。伊丹監督とは撮影の相談をしていたのか、という質問が出ると「言いません。言える雰囲気ではございません」と返して会場には笑いが。それでもリハーサルと違う演技は許されたそう。伊丹監督の「そう来たか」という言葉が宮本は「うれしかった」と懐かしむ。ただ「本が完璧で。『てにをは』も間違っちゃいけない。一言一句正しく、自分のものにしなきゃいけない監督でした」と語っていた。また、どの作品を4Kで見たいか、という酷な質問が。宮本は「難しい質問で…。選べないんです。作品が子どもみたいになっちゃっているから…」と困りながら「みんなです!」とほほえんでいた。