33号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ) 2025年WEC公式テスト“プロローグ” ダニエル・ジュンカデラは、TFスポーツとのWEC世界耐久選手権での「非常にエキサイティングな」2年目のシーズンに目を向けている。彼らはドライバーラインアップを刷新し、シボレー・コルベットZ06 GT3.Rで2年目のプログラムに臨む。
スペイン出身のジュンカデラは、昨年チャンピオンシップデビューを果たした後、トム・フェリエ率いる同チームのラインアップに留まった。
姉妹車の81号車は昨年とドライバークルーが変わらない一方で、ジュンカデラは、新たにカーナンバーが変更された33号車に乗り、ル・マン24時間レースで2度のクラス優勝経験を持つベン・キーティングと、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズLMP2チャンピオン、ジョニー・エドガーとトリオを組む。
キーティングとエドガーは、それぞれ小泉洋史とセバスチャン・バウドの後任となる。今季、小泉はTFのELMSプログラムへと移り、バウドはライバルであるユナイテッド・オートスポーツ陣営に加わった。
ジュンカデラとシボレーは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ24時間レースでコルベットZ06 GT3.Rでの2回目の激戦を終えたばかりだ。ジュンカデラはGTDプロクラスの優勝候補であったが、アントニオ・ガルシア、アレクサンダー・シムズとともに2位でフィニッシュを果たした。
このレースでは、カナダのAWAがGTDクラスでトップに立ち、コルベットZ06 GT3.Rでの記念すべき勝利を収めた。
「昨年は信頼性の面でいくつかの挫折からスタートしたので、今シーズンは非常にエキサイティングだと思う」とジュンカデラはSportscar365に語っている。
「このクルマはパフォーマンスの面で大きな可能性を秘めて生まれたが、新車によくある、予想外のトラブルに対処しなければならなかった」
「昨年はヒロシがチームメイトだったが、彼にはWECの経験がなく、ハイレベルな選手権で実際にレースをするのは初めてだった。セバスチャン・バウドもシルバードライバーとして、同様の状況だった。今年はあらゆる意味で、大きな前進だと思う」
「デイトナ以来、マシンの信頼性は非常に高いと思っている。コルベットでは1台を除いて、すべてのマシンに問題がなかったことが分かっている。レースに向けての準備期間中も、少なくとも3号車のコルベットは素晴らしい状態だった」
TFスポーツは昨年のシーズン開幕戦と比較して「間違いなく」良い位置にいる、とジュンカデラは主張する。昨年の開幕戦では、81号車が電気ハーネスの損傷で完走できず、ジュンカデラ、小泉、バウドのトリオは5周遅れのクラス10位でフィニッシュしていた。
「実際、(昨年の)カタールには非常に限られた知識で臨んだ」と彼は言う。
「その週末、プラット・ミラーの多くのスタッフが僕らを助け、サポートしてくれたが、パフォーマンスに関する知識はまだ限られており、すぐに小さな信頼性の挫折に悩まされたため、パフォーマンスにそれほど集中することはできなかった」
「しかし、今はセットアップのゲインを常に探し、何かを見つけているので、はるかに良い状態だ」
TFスポーツでル・マンクラス優勝を果たし、2年前にコルベット・レーシングで最後のGTEアマクラスの世界タイトルを獲得したキーティングとの仕事に、ジュンカデラは興奮を隠そうとしなかった。
彼は、昨年の世界選手権初シーズンで「大きな前進」を遂げたが、英語が堪能でなかったため「言葉の壁」を乗り越える必要があった小泉との仕事と比較している。
この日本人ドライバーはシーズン中に通訳とペアを組み、地元富士で初めてハイパーポールに進出し、シーズン最終戦のバーレーンで3位を獲得してシーズンを終えていた。
「シーズンの終わりにかけて、彼と一緒にいるのは本当に楽しかった」とジュンカデラは語った。
「それでも、言語の壁は違いを生んだ。そして今、ベンと一緒にいると、彼がとてもリラックスしていて、その意味ではずっとリラックスしているのが周囲からも分かると思う。彼は彼自身をよく知っているからだ」
「彼は一歩ずつ進んでいく。彼にとっては新しいコースだ。彼は最初の走行を終え、一歩ずつ進んでいるところだ」
「彼は周囲で何が起こっているかをとても意識していて、それはとてもクールなことだよ」
さらにエドガーがシルバーステイタスを獲得し、ジュンカデラは「今年は多くの人にとってサプライズ」になると予想しており、同時に33号車がシーズンを通してLMGT3クラスの有力な上位候補になると予期している。
「それは明らかだ。僕らのクルマは、すべてのレースで大きな勝利、大きな結果を目指して戦うことになるだろう」とジュンカデラ。
「それが僕の見解だ。僕らは、最強のラインアップのひとつだと思うね」
「明らかに、僕にとっては非常にエキサイティングだ。昨年、このラインアップで、おそらく最前線で戦う準備ができていないクルマを持っていたら、フラストレーションがたまっただろう」
「姉妹車にはトム・ファン・ロンパウがいて、(昨年は)シーズンの始めからとても強かった。最初のレースウイークエンドでポールポジションを獲得していたしね。でも、レースを完走できなかった」
「今年はすべての要素がうまくまとまっていると思うし、それは素晴らしいことだ」