トヨタ、開幕戦直前の公式テストをトラブルフリーで終える。苦戦気味も「改善の余地はある」と視線は前へ

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2025年02月23日 14:20  AUTOSPORT web

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ルサイル・インターナショナル・サーキットを走行する7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2025年WEC公式テスト“プロローグ”
 WEC世界耐久選手権に参戦しているトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は、2025年シーズンの開幕を前に、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで行われたシリーズ公式テスト“プロローグ”に参加。2日間、計4セッションを通じて開幕戦『カタール1812km』に向けた準備を進めた。

 現マニュファクチャラーズチャンピオンであるTGRは今季2025年も、引き続き7号車と8号車の『トヨタGR010ハイブリッド』2台でシリーズのトップカテゴリーであるハイパーカークラスに参戦する。

 2月21日金曜から始まった恒例のプロローグテストには、トヨタをはじめフェラーリ、ポルシェ、プジョー、アルピーヌ、BMW、キャデラック、そしてニューカマーのアストンマーティンを加えた8つのハイパーカーメーカーと、9つのLMGT3ブランドから、シリーズに年間エントリーしている全36台が集結。2日間合計で14時間にわたる走行セッションが設けられた。

 マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組の7号車と、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組8号車の2台体制を敷くTGRは、このテストでGR010ハイブリッドののパフォーマンスと安定性を向上させることに全力を注ぎ、ドライバーを第一に考えた車両セットアップと戦略の確認を行った。

 この中の最初のセッションでは車両セッティングのベースとメカニカルの調整を、日没後に行われた初日2回目のセッションでは、カタールで使用が許可されているミディアムタイヤおよびハードタイヤの分析が行われている。

 序盤に出された赤旗の影響で1時間延長となった22日土曜のセッション3。ここでは初日に学習した成果を2日目の走行に生かし、メカニカルなセットアップとタイヤの挙動の評価が行われ、夜のセッション4でも同様の取り組みが続けられた。

 2台のトヨタGR010ハイブリッドは2日間総計792周、延べ4291kmを走破。それぞれのベストタイムは7号車が1分39秒549、8号車は1分40秒128だった。チームはプレシーズンテストを通じ、次週に迫った開幕戦でのクルマとタイヤのパフォーマンスを最大限に引き出すための貴重なデータを収集することに成功した。またメカニックは、決勝レースで10回前後予定されているピット作業のパフォーマンスを最適化すべく、ピットストップの練習を行なっている。

 そんなメカニックたちは26日水曜から始まる開幕戦のレースウイークに向け、GR010ハイブリッドを一度分解、整備しふたたび組み直すこととなる。一方、エンジニアとドライバーはクルマのパフォーマンスを分析し、今回のプロローグテストで得られた情報を基に改良点を見出していく。

■「まだ若干苦戦」「1周のペースはまずまず」/TGRドライバーコメント

●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「来週のレースウイークへ向け、この2日間でしっかり準備すべく、最善を尽くしました。全体的に、2日間を通してとくに大きなトラブルもなく、2台ともに多くの周回を重ねることができました」

「ペースという点では現時点ではまだ少し遅れを取っているように見えます。しかしこれからの数日間、さらなるパフォーマンスを引き出すべく努力を続けます。まだやるべきことは多くありますので、来週の結果を楽しみにしましょう」

●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「カタールに来てから忙しい2日間だった。セットアップの比較やタイヤのテストなどで走行をこなし、かなり包括的なセットアッププログラムを問題なく終えられたことを、とてもポジティブに捉えている」

「1周のペースはまずまずのように見えますが、ロングランでのパフォーマンスにはまだ改善の余地がある。来週へ向けて、引き続きハードプッシュを続けていくよ」

●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「新たなシーズンを迎え、チームのみんなと再会できて嬉しい。我々はこの2日間非常に多くの周回をこなし、かつ多くを学びた」

「まだ評価するには難しい段階だが、我々にとっては厳しいレースになりそうだ。これからテストしたすべてのことを検証し、決勝レースへ向けて車両パッケージの最適化を進めるために何ができるか確認していく」

●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)
「カタールに戻ってくることができて嬉しいよ。とは言え、ここは我々にとって簡単なコ−スではない。2日間の長い走行をこなしたが、昨年同様、まだ若干苦戦しているように見える」

「レースウイークの公式練習走行が始まるまで数日あるので、収集したデータと昨年の経験を活かして頑張るよ。長い決勝レースになるが、決して容易ではないだろう。すべてを最大限に活かすためには、完璧な仕事をしなければならない」

●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「今シーズン参戦するすべての車両が、初めてサーキットで一堂に会するのを見るのは素晴らしかった。テストは順調で、この2日間には満足している。メカニカルなトラブルはなく、2台ともにチームとして満足いく仕事ができたからね」

「現時点において我々は最速ではないし、今後もそうなるのは難しいかもしれないが、決勝では可能な限り多くのポイントを獲得できるよう、クルマのポテンシャルを最大限に引き出すべく全力を尽くすつもりだ」

●平川亮(8号車ドライバー)
「昨年のパフォーマンスからも、我々のクルマがこのコースに相性が良いわけではないことはわかっています」

「今日はチーム全員が懸命に、自分たちそれぞれの仕事を行いトラブルフリーで多くの走行をこなしたので、良いデータを得られました。これらのデータを使って来週へ向けてクルマを改良していきます」

「我々にとっては難しいレースになるかもしれませんが、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう集中していきます」

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