009号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム) 2025年WEC公式テスト“プロローグ” ハート・オブ・レーシング・チーム(HoR)のボスであるイアン・ジェームスは、2月21〜22日にカタールで開催されたWEC世界耐久選手権“プロローグ”でデビューした、2台のアストンマーティン・ヴァルキリーの進歩に「非常に満足」している。アストンマーティンの新型レーシング・ハイパーカーは2台で合計500周以上を走行した。
待望の6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジン搭載ハイパーカーは、来週26〜28日に開催される『カタール1812km』の会場でもあるルサイル・インターナショナル・サーキットで行われた2日間のプレシーズンテストで、WECの公式セッションに初めて登場した。
アストンマーティンTHORチームが走らせるヴァルキリーのペアは、合わせて549周を走行。ハリー・ティンクネルがトム・ギャンブル、ロス・ガンと共有する007号車をドライブして記録した1分41秒089が、このクルマのベストタイムとなっている。
「ここで達成したラップ数と走行距離には非常に満足している」とSportscar365に語ったジェームス。HoRのチーム代表である彼は「もちろん、私たちはまだ学習段階だ。スピンが2回あり、クルマの限界とシステム設定を試しているが、(現時点の)進歩には非常に満足している」
「ドライバー全員がクルマに満足している。いまは日々プログラムに沿った作業をしていて、少しずつパフォーマンスを見つけているところだ」
ジェームスは2日にわたったプロローグテストの期間中、チームは「あちこちで小さな問題」に遭遇したが、以前のテストは「価値があり、ここでの成果を示している」と付け加えた。
それにもかかわらず、ジェームスはヴァルキリーにとって初陣となるレースウイークエンドに向けて現実的な見方をしており、アストンマーティンはWECの競争の激しいハイパーカー分野でトップグループに加わるには、「長い道のりがある」と主張した。
「もちろんバーレーンのタイヤテストはここにいる全員でやったが、今年最初のWECイベント、本気のレースの前に“プロローグ”で多くのことを学べた」と同氏。
「ここでは他のクルマの特徴を見ることができ、彼らが何をしているのかをもう少し間近で観察できる。私たちの成功には長い道のりがあることはわかっている。我々はその点については慎重に、自分たちのペースでやっていくつもりだ」
「しかし、クルマがそこにあり順調に走っているのを見ると、とても誇りに思うし、皆がここにいることを楽しんでいるようだから、それはポジティブなことだ」
「プログラムのこの段階では、私たちはいまの状況に満足すべきだと思うが、それに加えて2台のマシンがレースの最後まで走れたら、それは夢のようだね」
ジェームス率いるHoRクルーは、アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者であるアダム・カーターから賞賛を受けた。イギリスの老舗スポーツカーブランドの幹部は前回のテストプログラムから「勢いを継続」できたと付け加えた。
「このフィールドに来ることができて本当にうれしい」とカーターは語った。
「(プログラムを実現させるには)関係者全員の多大な努力が必要だった。ハート・オブ・レーシング・チームは、ここに来るために本当に素晴らしい仕事をしてくれた」
「以前のテストで築いた勢いが、ここでも継続された。非常に多くのラップを記録し、クルマが完璧に走り、チームが団結し、レースチームとして連携し始め、開発が始まり、クルマがトラック上でパフォーマンスを発揮するのを見るのはうれしいことだ」
「(我々アストンマーティンは)来週のレース開始を本当に楽しみにしている」